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呪霊に育てられた女の人生

第1章 始まり


「そういえば、今日ってどんな授業するんですか?」
 お昼休みが終わって。午後の授業が始まる前に、私は五条先生に質問をした。
呪術高専に入学して1ヶ月程経ち、学校にも慣れてきた頃。学校に来る前は呪術師の事も力の使い方も五条先生に個人的に教わっていて、実践的な物はまだ教わってはいなかった。
まずは体力作りから、と言われてこの5年間はずっと走り込みだの体術だのを教わっていた。
ようやっとこの学校に入れる年齢になって、これから本格的に修行が出来ると思っていたから凄くわくわくしていた。

「んー、そうだねぇ。とりあえずには呪具の扱い方を覚えてもらおっかな」
「じゅぐ?」
初めて聞く単語に首を傾げる。何それ?
「簡単に言うと武器だね。刀だったり槍だったりするけど」
「へえ〜すごーい。ゲームみたいだ。ね、サナちゃん」
 私の肩に乗りかかるようにしているサナちゃんに同意を求めると、うんうんとうなづいてくれる。
「でしょ? まあ実際ゲームの装備みたいな感じだし。でも扱い方を間違えると大変な事になるから気をつけて」
「は〜い」
「呪具については、真希が一番詳しいエキスパートだ。教えをこうてみるといい」
「そうなんだ。真希ちゃんお願いしてもいい?」

「ああ、別に構わないぞ」
やったぁ、と手を叩いて喜んでみせる。
 そして運動場へと向い、その約1時間後。
 地面にバラバラに砕け散った呪具であったであろう鉄屑を前にして、私は呆然と立ち尽くした。
「…………ごめんなさい」
「いやー、まさかここまでサナの守護が強いなんて思わなかったよ僕」
真希ちゃんに謝る私の横で、サナちゃんが申し訳なさそうにしている。
 事の顛末はこうだ。真希ちゃんが私に向かって投げつけた刃物は尽くサナちゃんによって弾かれてしまい、最終的に全てバラバラに砕け散ってしまったのだ。
「サナちゃーん、ダメだよ。これじゃあ練習にならない」
 も〜、と頬を膨らませて批難の声をあげると、サナちゃんも頬を膨らませて『だって危ないでしょ』と真希ちゃんを睨みつける。
『に刃物を向けるなんて許さない』
「サナちゃん……」
 好き!! と思わず抱きつくと、サナちゃんも負けじと私を抱きしめてくれる。
その様子を見て、真希ちゃんが呆れの溜息をついた。

 
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