第46章 このまま猫になりたい✳︎不死川さん※裏表現有
それと同時に、にゃんにゃんゴロゴロしているかわいい猫ちゃんたちが、仲間たちであることも理解できた。
だからこそ、私は決して術にはかかるまいと、女性隊士ににゃんにゃんゴロゴロを任せ、細心の注意を払いながら鬼と戦っていたのだ。
それなのにだ。
女性一人でまたたびに酔った猫を4匹抑えておくのは難しかったのか、あと一太刀で倒せる位まで追い詰めた猫鬼に向け、脱走した1匹が駆け寄ってしまったのだ。
そのあとはまぁご想像通り。猫を助ける間に生じた一瞬の隙に血鬼術を食らい、頸を狩れはしたものの、避けたいと思っていた最悪の結果…猫の姿に変えられてしまったというわけだ。
「診察は以上になりますのでお帰りいただいて結構…と言っても、その姿では風柱邸まで戻るのも一苦労ですよね。隠の方をお呼びしますので、その方に送ってもらってください」
そんなしのぶさんの言葉に
「…にゃぁにゃぁ…にゃおん」
”姿がもとに戻るまでここに置いてください”
とい気持ちを込め、可能な限りかわいく鳴いてみせる。けれども、毛の生えた生物が苦手なしのぶさんにそんな手が通用するはずもなく
「残念ですが柏木さんのご希望に沿うことは出来ません。衛生的、そしてなにより私自身の個人的事情により、猫の姿のあなたがここに居続ける状況は非常に好ましくありません」
予想通りの答えが返ってきた。
……やっぱりそうだよね
けれども私は肩を落としながらも、猫の姿の私としっかりとコミュニケーションが取れてしまうしのぶさんの洞察力に関心したと同時に、私と同じように猫にされた隊士の診察を何度も何度もして来たんだろうなと察しがついてしまい、なんとも言えない申し訳なさがこみ上げてきた。
「姿が戻ったら1度、診せに来てくださいね」
しのぶさんはそう言うと、私の方に向けていた顔をカルテの方へと向けた。けれどもすぐ何か思い出したような表情を見せ、再び私の方へと振り返り
「不死川さんには私の方から事情を話しておくので、ご安心ください」
喋ることも字を書くこともできない私を気遣ってくれたのか、そんな事を言ってきた。
もちろん私はその提案を
「にゃー!!!にゃぁにゃにゃー!!!」
必死な鳴き声と、首を左右に振りまくることで全力拒否。