第46章 このまま猫になりたい✳︎不死川さん※裏表現有
甘やかな痺れが一瞬身体を駆け抜けたが
「…っ…や…なんで…やめちゃうの…?」
師範の指は、あっという間に私のソコから出て行ってしまい、私の身体の疼きはちっとも収まらない。
師範は、私の愛液で濡れた指を私の尻にぬりつけるようにして拭いた後、ポロポロと涙を流す私の目をじっと睨みつけ
「罰だって言っただろォが」
羽織を脱ぎながら、徐に立ち上がった。
そして
「これに懲りて、少しは反省しろォ」
脱いだ羽織を私へ投げつけ寄越した。
……うそ…ここまでしておいて…何もなし……?
私と師範は、弟子と師匠であり恋仲ではない。だからもちろん身体の関係を持った事はないし、そんな事は今後もないと思っていた。
でもこの流れは
……明らかに…致す空気でしょうが!
誰がどう見ても(こんなところ見られたら困るけど)、そのまま布団に傾れ込むそれだろう。
あまりの衝撃で固まっていた私だが、フと師範の下半身の様子がいつもと違うことに気がつき
「…っ…師範だって…したいんじゃにゃいですかぁ!だったらして下さいよぉ!」
師範の顔をキッと睨みつけ、半泣きで抱いて欲しいと訴えかけた。
けれども、師範はそんな私の横を鼻で笑いながら通り過ぎると
「俺としてェだァ?馬鹿も休み休み言えェ。…もし本気で俺に抱いて欲しいって言うんならなァ、馬鹿げた血鬼術くらわねェくらい強くなって…そうだな、十二鬼月の1匹や2匹、1人で狩れるくれェ強くなってから出直せェ」
私を置いて、さっさと自室へと帰って行ってしまった。
縁側に1人取り残された私は、殺の文字を背負った師範の羽織をギュッと握りしめ
「…師範の意地っ張りぃぃぃ!絶対に絶対…十二鬼月の頸を狩って、師範に抱いてもらうんだからぁぁあ!」
自室にいる師範まで届くような大声で、そんな宣言をしたのだった。
私はその後バタバタと部屋に戻り
"…っ…にゃ…はぁ…ふぅ…"
生まれて初めて自分で自分を慰めた。
そして
"……クソ…あの…っ…馬鹿弟子がァ…"
師範も自室で自分を慰めていたという事実を教えてもらえるのは、私が十二鬼月の頸を切り、師範に抱いてもらうと同時に"ただの継子"から"恋仲件継子"と言う立場に変わる時までお預けだ。
-完-