第44章 雨上がり種植えつけられる✳︎煉獄さん※裏表現有
杏寿郎さんは見回りから戻る途中、救援を聞きつけその現場に急行したそうだ。
駆け付けた先には既に蜜璃ちゃんがおり、丁度鬼の首を斬り落としたところだったのだが、その鬼は、首と身体が泣き別れになる直前、血鬼術を発動していたようで、杏寿郎さんの目の前で蜜璃ちゃんの身体は段々と小さくなっていき、今現在の姿、つまり幼子の姿になってしまったという事だ。
鬼の姿が完全になくなると、蜜璃ちゃんに身を隠すように言われ、草陰から動向を見守っていた隊士が数人現れらしく、その腕には、蜜璃ちゃんと同じく幼子化した隊士が抱かれていたそうだ。
杏寿郎さんは、大きな目からポロポロと涙を流し、キョロキョロと辺りを見回している蜜璃ちゃんを抱き上げ、すっかりとサイズが合わなくなった隊服と羽織で包み込み、その可愛らしい裸体が人目に晒されないよう包んであげたそうだ(この部分、とても大事なので覚えておいてください!)。
知らない男の人に抱き上げられた蜜璃ちゃんは、プルプルと身体を震わせ怖がっていたそうだが、杏寿郎さんが悪い人ではなく、むしろ自分を助けてくれるいい人だと認識すると、べったりと離れなくなってしまったらしい。
結局そのまま他の隊員たちと共に蝶屋敷に向かい、胡蝶様に蜜璃ちゃんを託そうとしたのだが、ものすごい力でしがみつかれてしまい、結局そのまま杏寿郎さんが抱いたままの状態で診察を受け、最終的には
”同じ血鬼術にかかった隊員を数日前に診察しましたが、みなさん遅くとも2日後には元の姿に戻っているので特に問題ないでしょう。ですが柱である甘露寺さんのこの姿を、一般隊士に見られてしまうのはあまりいい事とは言えません。その様子ですと、煉獄さんの事をとても頼りにしているようですし、申し訳ないのですが煉獄さんのお邸で面倒を見ていただけないでしょうか?”
なんてお願いをされ
”わかった!俺に任せてくれ!”
という経緯を経て、今に至るらしい。