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鰯料理の盛合せ【鬼滅短編・中編・長編番外編】

第44章 雨上がり種植えつけられる✳︎煉獄さん※裏表現有


すると蜜璃ちゃんは、ムッと唇を山型に閉じ、うるうると潤んだ可愛い大きな瞳を私へと向けて来た。そのあまりにも可愛く、庇護欲を擽る表情に


…か…かわいい…!


私は内心悶絶していた。

それでも、万が一また大きな声を出してしまえば蜜璃ちゃんを怯えさせてしまうと思い、かわいいかわいい子供の蜜璃ちゃんを愛でまくりたい気持ちをぐっと堪え


「こっちにいらっしゃい」


ニッコリと、自分が出来うる最上の笑みを浮かべ、蜜璃ちゃんへと両手を伸ばした。

すると蜜璃ちゃんは、じっと私の顔を観察するように見つめた後、スッとその短くてフニフニの両手を私の方へと伸ばしてきた。

私はそんな蜜璃ちゃんの姿に再度悶絶しそうになるのを堪え、杏寿郎さんの腕から、ゆっくりと蜜璃ちゃんを受け取る。


「ふふ…上手にこっちに来られましたね。えらいえらい」


蜜璃ちゃんの小さな身体を左手で抱き、空いた右手で頭を撫でてあげると


「きゃは」


頬に涙の筋を作ったままの顔に、満開の花のような笑顔を咲かせてくれた。

その笑顔に、ドキュンと心を撃ち抜かれてしまった私は、ギギギとぎこちない動作で杏寿郎さんへと顔を向け


「……この…破壊的にかわいい生き物は何でしょう…?」


杏寿郎さんそう尋ねた。すると


「うむ!その子は血鬼術で幼児化してしまった甘露寺だ!」


杏寿郎さんはごく当たり前のことのようにそう答えた。


文と同じく、あまりに簡潔なその言葉に


「それはもうわかりました。私が聞きたいのは、何がどうしてこうなったかですよ」


内心”仕方のない人”と思いながら苦笑いを浮かべてしまう。


「説明が足らずすまない!部屋に入ったら経緯を説明しよう」

「お願いします。でも杏寿郎さん、お腹が空いているでしょう?軽く食事を用意しておきますので、まずは湯でも浴びて、身体の汚れを落としてきて下さいな」


蜜璃ちゃんがつまらなく感じないよう身体を上下に軽く揺らしながらそう言うと


「そう言ってもらえとても助かる!実は今にも腹の虫が鳴いてしまいそうでな!軽くとは言わずたくさん頼みたい!」


杏寿郎さんは大きな手で私の肩を抱いた。

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