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鰯料理の盛合せ【鬼滅短編・中編・長編番外編】

第43章 水着と下着、その差はいかなるものか✳︎【暖和】※微裏有


それから先輩がメッセージアプリで送ってくれたその水着が買えるサイトのURLをクリックし

”購入”

ボタンを迷うことなくタップした。













数日後、営業所留めにしてもらった荷物を無事受け取り、杏寿郎さんが仕事から帰ってくる前にこっそりと水着を試着した私は


……露出が多いのがやっぱり気になるけど…思ったより似合うかも…流石おしゃれにうるさい先輩の見立て……


鏡に映ったそう悪くない自分の姿に

”杏寿郎さん驚いてくれるかなぁ”

と心を躍らせた。





まさか天空露天風呂をほとんど楽しめないことになるとは露しらず。




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それから2週間後の土曜日。


「わぁあ!見てください!夕陽があんなに綺麗に見えます!」

「うむ!絶景だな!」


私と杏寿郎さんは、予定通りHOTEL鰯の空に来ていた。フロントで渡されたカードキーで該当する部屋の扉を開き、部屋の中に足を踏み入れると、視界に入ってきたのは大きな窓の向こうに見える夕陽だった。

ビルの隙間から射す光はなんだかとても神々しく

……はぁ

と思わず感嘆のため息が漏れしまう。

杏寿郎さんは窓辺に佇む私の隣に立ち、スッと腰に手を回すと


「こんなにいいホテルに実質ただで泊まらせてもらうのは、なんだか申し訳ないな」


そう言いながら私の頭頂部に頬を擦り付けて来た。


「そうですねぇ。なんでも、プレミアム宿泊招待券をくれたのはご高齢の女性らしくて。懸賞で当たったものの、自分もご主人もこういった場所は苦手だからと瑠火様にくれたそうなんです」

「なるほど」

「でも瑠火様の話では、そのご夫婦、2人でおいしいものを食べに行くのがとっても好きらしいんです!ですから、このホテルオリジナルで販売してるジャムとドレッシング、あとはレトルト製品もあるみたいなので、お礼に買って帰れたらなと思ってるんです」


僅かに頭を動かし、大きな猫のように私の頭に頬ずりし続けている杏寿郎さんの様子を伺ってみると


「それは名案だ!このホテルは食パンも美味いと聞いている!父上と母上、それから千寿郎への土産も買って帰ろう!」


にっこりと優しい笑みを浮かべていた。

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