第41章 今世の私も、余す事なくもらってください✳︎不死川さん※微裏有
そんな私を
「どうしたァ?」
実弥さんが難なく受け止めてくれる。
「…ただ、大好きだなぁって…思っただけです」
顔を擦り付けた実弥さんの脇腹は硬くて、それなのに酷く心地がいい。こんな素敵な人が、今世でも私の伴侶になってくれるとは、どうしようもなく幸せである。
「そうかァ」
「そうです!」
優しく私を見下ろしてくる実弥さんを見上げていると、ふといたずら心が湧いてきた。
「実弥さん」
「なんだよ」
実弥さんの太ももあたりに両腕を突き、グッと顔を近づけ甘えるように実弥さんの目を覗き込む。
「……実弥さんは…私のこと、好き?」
そんな私の問いに、実弥さんは目の端をピクリと動かし反応を見せる。
「…んなもん、言わなくてもわかるだろうがァ」
返ってきたのは、私が想像していた通りの言葉だった。それでも
「……私、馬鹿だから…ちゃんと口に出してもらえないとわかりません…」
どうしても実弥さんの口からその言葉を聞きたくて、自分の出し得る最上級の甘えた声を出し、大好きな三白眼をじっと見つめる。
そんな私の様子に
「…そうかよォ」
実弥さんは気怠げにそう言った後、ゆっくりと私の右耳に唇を寄せ
「…頭の先からつま先まで、食い尽くしちまいてェくらい愛してらァ」
信じられないくらいの色気を孕んだ声でそんな事を言ってきた。
「…っ!?」
実弥さんの言葉の通り、頭のてっぺんからつま先まで雷が落ちるような衝撃を覚えた私は
…無理!好き!大好き!大好き過ぎて苦しい!
ドンッ
「っ危ねェ!」
渾身の力を込め、実弥さんを押し倒した。私の突拍子もない行動にも関わらず、実弥さんはその反射神経でサッと後ろに手をつき、後頭部を床に打ち付けることは免れた。