第41章 今世の私も、余す事なくもらってください✳︎不死川さん※微裏有
そんな行動に
「……もったいない」
私は思わずそんなことを呟いてしまった。
「…馬鹿言ってんじゃねェよ」
実弥さんは手を動かしながらさも呆れたと言わんばかりの表情を浮かべていた。
「……だって…」
本当は、あんな膜なんて欲しくない。昔と同じように、なんの隔たりもなく、私の中にその欲を注ぎ込み、心も身体も全部実弥さんで満たして欲しい。
……社会経験が大事なのもわかるけど…私は実弥さんとの時間の方がよっぽど……それに、実弥さんと壱弥との時間を…早く過ごしたいんだけどな…
実弥さんが壱弥に会いたいと思っていないだなんて決して思ったりはしていない。壱弥の事を思っているからこそ、私にきちんと社会経験を積んで欲しいと思っていることも理解している。
それでも
「……早く実弥さんのお嫁さんになりたいな…」
そう思ってしまう私をどうか許して欲しい。
「……社会人やってりゃァ2、3年なんざあっという間に過ぎちまう」
実弥さんはそう言って私の頭をワシワシと乱暴に、それでも愛情を感じるそれで撫でてくれた。
「……はい」
私も自らの頭を擦り付けるように、その手の動きに合わせて頭を動かした。
実弥さんは自身の事後処理が終わったのか、ティッシュを数枚手に取り私のまだ濡れているそこを優しく拭いてくれた。
……こういうところも、好きなんだよな
そんなことを考えていると、私のソコを拭き終えた実弥さんが私の横にゴロリと横たわった。
「…あ、そういえば来週の金曜日は新入社員歓迎会があるので家に帰るのが遅くなってしまうと思うんです。だから悪いんですけど、私が帰ってくるまで1人でお留守番しててもらえますか?」
「あぁん?お前ェ俺を子どもがなんかと勘違いしてんのかァ?」
実弥さんは眉間に皺を寄せながらそう尋ねてきた。
「え?だって私がいないと寂しいでしょ?」
「寂しかねェよ!つぅかその日は俺も飲み会があんだァ。だから時間によっちゃァそっちにはいかねェつもりだ」
そう言った実弥さんに
「……来てくれないん…ですか?」
声の調子が自然と落ちてしまう。