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鰯料理の盛合せ【鬼滅短編・中編・長編番外編】

第40章 欲しかったのはそっちじゃない✳︎無一郎君


「全然平気だよ。…だから、そんな顔しないで」


私は時透君にニコリと笑いかけ


「じゃあまたね」


軽く手を振りながら冨岡先生の後を追った。
























学校に到着し、てっきり病院か保健室に連れていかれると思っていた私だが、連れていかれたのはまさかまさかの理事長室だった。

戦々恐々としている間に冨岡先生に押し込まれるように理事長室に入らされ、昔と同じく不思議な波長を感じるお館様…もとい理事長先生から、”お帰り。またこうして会うことが出来て嬉しいよ”というありがたいお言葉をいただいた。そしてそんなありがたいお言葉と一緒に

”前世の記憶を取り戻しても今の自分を大切に”

なんて言葉が書いてある冊子をいただいた(記憶を取り戻した元鬼殺隊関係者が通る通過儀礼らしい)。


理事長先生にお礼の言葉と、"あと2年よろしくお願いします"と今後の挨拶を済ませ、冨岡先生の”もう今日は帰れ”という言葉に従い筍組の教室に向かった。

荷物をまとめ、そのまま帰ろうか…と思ったのだが、どうにもそんな気分になれず、まだ授業中で静かな廊下を通り、こっそり屋上へと向かった。

















階段から屋上に抜ける扉を開けると、フワリと頬を撫でる暖かな風に心がほっと和らいだ。


「…風が…気持ちいい」


すぅ…


と、軽く深呼吸をした後、私は扉の設置されたスペースをグルリと回り、例え誰かが来たとしても姿が見えない陰になっている場所へと移動した。

そのまま壁を背に座り込み、先程理事長先生から頂いた冊子を開いてみる。内容の全てに目を通してみると、なんとなく今の自分と前世の自分がスッと重なりあって一つになるような感覚を覚えた。


竈門君たちと同級生か…なんか不思議な感じ


前世でも今世でも、なにかと騒がしい3人組の同級生として生まれ変わっているとは…今までも楽しかったが、前世の記憶を取り戻した今、より楽しい学園生活を送れるのではないかとわくわくした(前世では私の方が4.5歳上だった)。

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