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鰯料理の盛合せ【鬼滅短編・中編・長編番外編】

第39章 あなたの声は聴こえてるよ✳︎不死川さん※微裏


けれども驚きと同時に


…だから不死川…あんなに荒れてたのかな…同じ柱だもん…そりゃ…辛いよね


先程の不死川の行動の理由が何となく腑に落ちた。そして、一刻も早くこの任務を終わらせ、不死川の邸に帰りたくなった。

村田さんともう一人の隊士は何やらまだ花柱様について話をしているようだったが、薄情かもしれないが、私は不死川の事で頭がいっぱいになってしまい、2人の会話の内容がほとんど頭に入ってこなかった。


"すみませ〜ん!遅くなりました〜”


そうこうしている間に最後の1人が現れ、私を含めた4人は合同任務へと出発することとなった。








—————————————








それから私は、任務がある時以外を不死川のところで過ごすようになった。今までも、稽古と食事で居座る事はあった。けれどもあの日からは非番の日も共に、更にはひとつの布団で過ごす事が当たり前のことになった。もちろんただ一緒に寝るだけでなく


「…っ…あ…んぅ…」

「…オラッ…腰…引くんじゃねェよ…!」


当然のように互いの身体を交えた。


「…や…っ…だ…っんぁぁぁぁあ!」

「…っ…馬鹿…締めんな…!」


不死川の放った熱が私の背中に放たれ


「…っ…ごめん…」


私は下半身をビクビクと震わせながら全身をクタリと布団に横たえる。

不死川は、懐紙で私の背中を丁寧に拭いてくれると、汚れた紙をポイと屑籠に投げ入れ


「…ちょ…重い!重いから!」

「筋肉の重さだァ」


私の背中に、その屈強な身体を遠慮なく乗っけてきた。


「もう!苦しい!っどいて!」

「ヘイヘイわかったよ」


不死川は不満げにそう言うと私の横にゴロリと横たわり、ボリボリと綺麗な白髪の生えた後頭部を掻きむしる。


「ちょっとちょっと。そんなに乱暴に掻いたら頭皮が傷ついて将来禿げ頭になっちゃうよ?」

「馬鹿言えェ。俺の頭皮はそんな弱かねェよ」

「うっそだぁ」


不死川と身体を交えた後に、こんな風にくだらない会話を交わすのがとても好きだった。私のなんの実もない話で、不死川が笑ってくれる事が酷く嬉しかった。

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