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鰯料理の盛合せ【鬼滅短編・中編・長編番外編】

第39章 あなたの声は聴こえてるよ✳︎不死川さん※微裏


不死川は襖を閉じることもせず、私を畳に放るように投げるとそのまま私の上にのしかかって来た。

ただの同期であるはずの私に、何故あの不死川がこんな事をするのかわからなかった。それでも



そんな事わからなくていい
それで不死川の心が落ち着くなら
私がなんだってしてあげる



私に一切の迷いはなかった。



























”抱きつぶされた”


そんな言葉が相応しいと思ってしまう程に畳の上で抱かれ続け、終わった時には身体のあちこちが痛かった。

それでも心がちっとも痛くなかったのは、私の身体をぎゅっと抱きしめて離そうとしない傷だらけの腕から、不死川が私という存在を求めていることを感じ取れたからだ。


「……今…何時かわかる…?」


散々鳴かされた私の声は、すっかりと枯れてしまっていた。私の横で私と同じように転がっていた不死川は僅かに身体を持ち上げると


「…2時だァ」


と静かな声で言った。


「…2時…ね」


私は私の身体に巻き付いていた不死川の右腕をやんわりと引きはがし


「任務があるからもう行くね」


中途半端に着せられていた服を直し、ゆっくりと起き上がった。そんな私に反し


「…っ馬鹿がァ!んな身体で任務なんか行くんじゃねェ!変わり探してやるからお前は休んでろォ!」


不死川はバッと一気に起き上がるや否や、慌てた様子でそんな事を言ってきた。


「そんなわけにはいないでしょ。正当な理由ならまだしも…こんな理由で任務を変わってもらうなんて、万が一代わりに行ってもらった隊士に何かありでもしたら、悔やんでも悔やみきれませんー!」


私をこんな風にした不死川が、決して気に病まないようおどけた調子でそう言うも、不死川はいまいち納得していない様子だった。


…ふふ…叱られた犬みたいな顔しちゃってさ


胸の中にふわりと広がってしまいそうになる不死川への気持ちをぐっと押し込め


「…なにしけた面してんのよ!っていうか、あんなに気持ちよくされちゃって、私、不死川じゃなきゃ満足できない身体になっちゃったらどうしてくれるわけ?」


ニヤリと笑みを浮かべ軽口を叩いてみる。


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