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鰯料理の盛合せ【鬼滅短編・中編・長編番外編】

第39章 あなたの声は聴こえてるよ✳︎不死川さん※微裏


ふわふわとした感覚がより一層増し、完全に意識が遠退こうとしたその時


「柏木!オイッ!柏木!!!」


…この声…知ってるかも…


誰かの怒鳴り声が聞こえた気がしたが、もう殆ど意識を保っていることなど出来なくなった私は


…ま…誰でもいいや……さよなら…素敵な声の誰か…


そのままその声の持ち主が誰かを確認することもなく、真っ暗な世界へと身を落とした。
























私の人生はこうして幕を閉じた…と、思っていたのに。

私の目は、何の因果かしっかりと覚めてしまい、それだけでなく


”んな弱ェから十二鬼月でもねェ鬼に殺られそうになるんだろうがァ。この俺が直々に鍛えてやる”

”……”


有無を言った日には斬りかかってきそうな鬼の形相をした同期であり上官である不死川に(鬼よりも怖いってどういうことさ)直々に鍛えてもらえる日々が始まることとなった。







———————————————







私は鬼を滅殺するという確固たる信念のもと隊士として戦っている。隊士となった以上女も男も関係ないと思っている。


思ってはいるのだが。


「おいこら柏木!たかが打ち込みで吐いてるようなやつが鬼の頸切れんのかァ!?」


カァァァァン


「……ちょっ…待ってよ…!」


過度の疲労で吐き気をもよおしている同期の女に対し、それでも容赦なく木刀を叩き込んでくるとはいくら何でも容赦がなさすぎるんじゃないか。


「馬鹿かァ!?お前が吐いてるからって、鬼が出し終わるの待ってくれるってのかァ!?」

「…く…くれないけど…不死川は鬼じゃないじゃん…っ!」

「甘っちょろいこと言ってんじゃねェ!んな余裕があんならさっさと斬りかかってこいやァ!!!」


カンカンカァァァァン


「…く…!!!」


不死川の猛攻に耐えることが出来ず、私の手から木刀が弾き飛ばされ


ヒュンッ


私の目の前に、木刀の切っ先が現れた。肩を上下させ必死に呼吸をしている私に反し


「力が弱ェ呼吸の質が悪ィ判断が遅ェ」


少しも息を乱した様子のない不死川は初見であれば卒倒してしまいそうなほどの鋭い視線で私のことを睨みつけている。

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