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鰯料理の盛合せ【鬼滅短編・中編・長編番外編】

第39章 あなたの声は聴こえてるよ✳︎不死川さん※微裏


「なんだァその打ち込みはァ!?もっと死ぬ気で来いやァ!」


カンカンカンカァーン!


「っ…やってるっつぅのぉ…!」


持てる力のすべてを持って打ち込んでいくも、柱の不死川にとっては私の打ち込みなんてへでもないようでいとも簡単に受け止められ


「オラオラオラァ!」


カンカンカァァァァン!!!


不死川からの猛烈な打ち込みに耐えられなかった私の手から木刀がブンブンと音を立て吹っ飛んで行った。

カラン

と地面にそれが落ちる音と


「はぁ…はぁ…はぁ…」


荒く乱れた私の息。それから


「テメェ…そんな弱くて鬼が狩れんのかァ?」


不死川の怒気を孕んだ声が風柱邸の庭に響いていた。












不死川とは同期だったせいか、はたまた戦闘の相性がよかったせいか、度々同じ任務に就かされることが多かった。かといって特別仲が良かったとかそんなんじゃない。私も不死川も自分のことをぺらぺらと喋るタイプじゃないし、粛々と任務にあたり、それを終えたら即さよならだった。

しばらく任務を共にしない間に、気が付いたら不死川は柱になっており、遠い遠い存在になっていた。それに対しても”あぁ私と同期なのに凄いなぁ”と思うくらいで、特段なにか思うこともなかった。

そんな私達の関係が大きく変わったのはあの日のあの出来事がきっかけだ。







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…ここで私の命も終わりかぁ


身体のどこが痛いのかわからないくらいに全身が痛く、寒気も感じてきた。


…悔しいけど…相討ちならまぁ悪くないや


そんなことを考えながら夜空に輝く三日月を見つめていると、もう目を開けているのも、意味のない回復の呼吸を続けているのも面倒くさくなってきた。


「こんな穏やかな気持ちで死ねるなんて…私ってばラッキーじゃん」


誰に言うでもなくそう呟いた私は、自分の欲求に素直に従い呼吸もやめ、ゆっくりと目を閉じた。するとあっという間に頭がふわふわと浮くような感覚に陥り、”あぁ本当にここで死ぬんだな”と改めて実感させられた。

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