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鰯料理の盛合せ【鬼滅短編・中編・長編番外編】

第36章 これから先の未来、ずっと一緒に✳︎不死川さん


「…実弥さんやっぱり今日おかしいです」

「どこがだァ?」

「いつもよりも…甘い!甘くて優しい!そんなに優しくされると、私余計に実弥さんのこと好きになっちゃいます」

「馬鹿な事言ってんじゃねえよォ。ほら歩けぇ。車に向かいがてらソフトクリームでも買ってやらァ」

「え!?本当ですか!?やったぁ!私チョコとバニラのミックスがいいです」

「おうおう好きにしろォ」


普段よりも糖度高めの実弥さんに引っ張られるように歩き始めた私は


…やっぱりおかしい…けど…こんな実弥さんもいいかも


そんなことを考えながら、自身の左側に感じる実弥さんの温かさを感じるように可能な限りぴったりと身を寄せたのだった。
















途中立ち寄った休憩エリア兼お土産屋さんで予定通り私はチョコとバニラのミックスソフトクリームを、実弥さんはバニラソフトクリームの黄な粉小豆かけを食べた。それから実弥さんと一緒に、実弥さんの弟妹達、そしてお母さんへのお土産を物色し、弟妹達へは鉛筆を(玄弥君にはボールペンを)、お母さんには綺麗な押し花の栞を購入した。

車に着くと時刻は3時半を回っており、今から帰れば道が混んでいたとしても7時前には家に到着することが出来るだろう。そうすれば向こうで一緒にご飯を食べることが出来るかもしれないし、さらにその後、私のアパートに上がってもらえるかもしれない。


…アパートに連れ込むことが成功したらその後は…


”すずね…!”
”……実弥さん…!”

”邪”な妄想が脳内を埋め尽くし、ニヤケ顔になってしまったのを顔を真下に向けることで隠した。

助手席のドアを開けたまま俯き固まっている私に


「何してんだァ?早く乗れ」


実弥さんが訝しげな様子で言った。


「…はい!ただいま!」


慌てて助手席に乗り込み、静かにドアを閉めシートベルトをかちゃりと装着し


「準備オッケーです」


ニヤケ顔を、邪な妄想を抑え込みながら実弥さんの方へと顔を向けた。けれども実弥さんはスマートフォンとにらめっこをしており私とは目が合わない。そこでふと


…あ…そういえば実弥さん、寄りたいところがあるって言ってたっけ…


ソフトクリームを食べる前にそんなことを言っていたのを思い出す。

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