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鰯料理の盛合せ【鬼滅短編・中編・長編番外編】

第36章 これから先の未来、ずっと一緒に✳︎不死川さん


実弥さんは”ずんだを扱ったカフェ”が大層楽しみなようで、私の言葉に食い気味に返事をしてきた。ちらりとその顔を見てみると、心なしかにやけているようにも見える。そんな姿に


「…実弥さん…やっぱりかわいい…っ!」


私の胸はキュンキュンと甘い音を立てた。けれども実弥さんは私のその反応が気に入らなかったようで


「…お前はァ…んっとにちっとも変わりゃしねェなァ…」


若干面倒くさそうにも聞こえる声色でそういった。


「もちろん変わりません!私は前世でも、そして今世でも実弥さんだけを好きでいる自信があります!」

「そうかいそうかい」

「あぁ!なんですその適当な答え!?でもでも、私はそんなんじゃめげません!私の実弥さんに対する愛は不滅です!」

「そうかいそうかい…ほら着くぞ。降りる準備しておけェ」


サービスエリアの入口へと続く側道に車線変更した車は、そのままの流れで駐車場へと到着し、私と実弥さんは予定通り小休憩をとることにした。















用を済ませトイレの建物からから出てパッと目に入ったのは


「…っ!」


ゴールデンレトリバーと戯れている実弥さんの姿だった。

”ゴールデンレトリバーと戯れる実弥さん”

そこだけを切り取れば、たまらなく最高の組み合わせだ。けれどもそのゴールデンレトリバーのハーネスの出どころ…スキニーパンツがお似合いの綺麗なtheお姉さま風の飼い主が気に入らない。

にこにこと必要以上の笑みを浮かべ(私にはそう見えるんだもん)、実弥さんに撫でくりまわされブンブンと尻尾を振っている愛犬に寄り添っている…ように一見見えなくもない。けれども私にはわかる。


…あの人…愛犬じゃなくって実弥さんの顔ばっかり見てるじゃない…!


目を細め、大型犬と戯れる実弥さんは素敵だ。それはもう動画に収めたい程に素敵だ。いつまでも見ていられる。けれども、その隣に、実弥さんに男の魅力を感じている、私以外の女性がそばにいるとなれば話は別だ。


…むかつく…


撫でくりまわされているゴールデンレトリバーも、実弥さんをじっと見つめているtheお姉さま風も、私が見ているのに気が付かず、ゴールデンレトリバーを撫でくりまわし、”素敵な男女とわんちゃん”のフレームに収まっている実弥さんも、腹が立って仕方がなかった。


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