第36章 これから先の未来、ずっと一緒に✳︎不死川さん
今日の目的地は色とりどりの花がきれいに咲いていると有名な海浜公園だ。なんでも季節外れの校外学習で今度行くらしく、下見がてらデート(実弥さんとのデートならついででもなんでも構わない)に行こうという経緯だ。
「…まぁそれもそうですね。また今度!みんなで予定を合わせて行きましょう!」
「そうだなァ。で、忘れ物はねェか?」
実弥さんにそう尋ねられ、私はショルダーバックのボタンをパチリと外す。
お財布
スマートフォン
化粧ポーチ
ハンカチにティッシュ
ミントタブレット
…よし、問題ない!
「大丈夫です!不死川先生っ!」
いたずらっぽく実弥さんのことをそう呼んでみると
「なに馬鹿言ってんだァ…じゃ、出発するぜ」
実弥さんはほんのりと照れた表情を見せた後、シフトレバーをÐに換え、サイドブレーキをギッと足で踏みしめ解除し、右のウインカーを点けゆっくりと車を発進させた。
8時前には高速道路に乗れたので渋滞等なくスイスイと車は目的地へと走っていく。私も運転免許証は持っているのだが、実家に帰った時…1か月に1.2回運転するかどうかというレベルなので、高速道路を運転するのはとても苦手だ。それに加え7人乗りの車を運転したことは1度もない。
苦手意識のある高速道路を乗りなれない車で運転するなど私に出来るはずもなく、ただ助手席から窓の外の景色、カーステレオから流れてくる音楽、ちょっとしたおしゃべり、そして運転する実弥さんの素敵な横顔を楽しませてもらった(途中見すぎだ気が散るといわれたのもご愛敬)。
それから1時間半ほど走り続け
「ちっと休憩すっかァ…次のサービスエリア、なんか美味そうなもんあるかァ?」
「次ですか?ちょっと待ってくださいねぇ…」
私はカバンからスマートフォンを取り出し
”鰯山サービスエリア 下り 食べ物”
の条件で検索をかける。
「えっと…あ!ここのサービスエリア、ずんだを扱ったカフェがあるみたいですよ!オープンは…10時からなので、トイレとお土産コーナーを見ている間に空くんじゃないですか「おっしゃ寄るぞ」……」