• テキストサイズ

鰯料理の盛合せ【鬼滅短編・中編・長編番外編】

第34章 手紙とハンドクリームが起こした奇跡✳︎宇髄さん


「あらあら。女性の腕をそのように掴むのはいいこととは言えませんね。ましてやこの子は一般人ですよ?」

「…っ!」


つやのある紫がかった髪を夜会巻きにし、きれいな細工が施してある蝶々の髪飾りを付けた可愛いとも綺麗ともいえる女性が私の隣に現れた。

その人は私と目が合うと


「こんばんは。私は☆HASHIRA☆のマネージャーを務めております胡蝶しのぶと申します」


マネージャーというよりも、モデルか俳優さんなんじゃないかと思ってしまうような綺麗な笑みを私に向けてくれた。


「…あ…私は…柏木すずねです…」

「すずねさんですね。甘露寺さんからお話は伺っていました。すずねさんは、なぜ今自分がここに連れてこられたかご存じですか?」

「…いいえ」


胡蝶さんの目を縋るように見ながら首を左右に軽く振り、否定の意を示す。


「あらあら。言葉足らずですみません。実はですね、うちのメンバー…主にボーカルの宇髄がですね、兼ねてからすずねさんと直接話してみたいと言っておりまして」

「…っ私と…ですか…!?」

「はい。すずねさんが書いてくださるファンレターは、毎回☆HASHIRA☆の音楽への愛に溢れているので、メンバーも私もとても毎回楽しみに読ませてもらっています」


「っ本当ですか!?」


胡蝶さんの口から紡がれたその信じがたい内容に驚き目を丸くしていると


「本当よ!だから私、この間のDEMONのライブの時すずねちゃんがあの紙袋を持っているのを見つけて呼び止めたの!タイミングが悪くって結局その日は何も出来なかったんだけど…だから今日、すずねちゃんとあのお店でまた会えて、こうしてみんなと引き合わせることが出来て本当に嬉しいの!」


依然として私の手を握ってくれている蜜璃ちゃんが満面の笑みを浮かべそう言った。


「…そうだったんだ…」


蜜璃ちゃんが伊黒さんの彼女で、☆HASHIRA☆のメンバーの人たちやマネージャーさんが私のファンレターを本当に読んでくれてて、天元さんが私と話したいと思ってる………ダメだ!やっぱり現実とは思えない!

/ 898ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp