第33章 泣き虫鳴柱は長男に甘えたい✳︎炭治郎
炭兄の口から言葉が発せられるよりも早くそうしたのは
「柏木…テメェ自分の立場隠してそんなクソ弱ェガキと兄妹ごっこしてたってかァ?」
「…っ…」
私に向け、"心底呆れた"と言わんばかりの視線を寄越している不死川君だった。不死川君に言われた事が図星すぎて、何も言い返す事が出来ず、ただただ俯くことしかできない。
更に
「…柏木が柱ってことを知らねぇのもそうだが…竈門。お前その様子じゃあ、柏木の歳がいくつかも知らねぇだろ?」
不死川君と違い、呆れというような雰囲気は感じないものの、面白いおもちゃを見つけたと言わんばかりの笑みを浮かべ、宇髄さんは炭兄にそんな質問を投げかけた。
…余計なこと聞かないでよ
そう思ったものの、聞かれて困るようなことを隠していたのは私自身のため、それを口にすることが出来なかった。
「…俺はてっきり…俺と同じかひとつ下だと思ってたんですけど…違うんですか?」
炭兄のその答えを聞いた宇髄さんはブハッと豪快に吹き出し
「ダッハッハッハッハッ!」
吹き出した勢いに負けず劣らず豪快に笑った。
お館様のお庭に、宇髄さんの豪快な笑い声がただただ響いており、炭兄は困惑の表情を更に深めている。
「柏木さんは確かに年齢に比べると幼く見えますね」
「そうね!私も、てっきり年下の女の子だと思ってたもの!」
「そうだな!俺も未だ信じられない気持ちの方が優っている!」
しのぶちゃん蜜璃ちゃんはそれぞれ困ったような表情で、煉獄君はいつも通りのどこを見ているのかいまいちわからない表情を浮かべながらそう言った。
順々に発言者の顔を見ていった炭兄の顔が宇髄さんへと戻った時
「…そいつ、22歳だぜ?つまり俺の1個下で不死川の1個上!派手に見た目が年齢と釣り合ってねぇんだよ!」
と、言って再び豪快に笑い出した。けれども、
「…22歳…?」
炭兄はボソリとそう呟きながら私へと視線を寄越し
「…………っえぇぇぇぇぇぇぇ!?!?」
本日2度目の驚愕の叫び声をあげた。
そんな炭兄に
「…っ…ごめんなさい…」
私は謝ることしか出来なかった。
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