第33章 泣き虫鳴柱は長男に甘えたい✳︎炭治郎
今日の会議はいったい誰が来るんだろう。しのぶさんは来るって言ってたけど…冨岡さん…煉獄さんはいるんだろうか?
目を塞がれ、鼻を塞がれ、そんなことを考えながら後藤さんの背に揺られること体感数十分。
「ついたぞ。降りろ」
「はい!運んでもらいありがとうございました!」
後藤さんの背中から降りるとスルリと目隠しを外してもらえた。自らの手で鼻栓を外し終えた俺は、後藤さんの眠たげな目をしっかりと見ながらお礼を述べる。
「これも俺の仕事だ。それよりもお前、前の柱合会議の時みたいに余計な事すんなよ?」
「はい!でも俺はあの時余計なことをしたとは思っていません!必要なことをして、必要なことを言っただけです!」
「…っだからお前それが「竈門少年!」っ!?!?」
話をする俺と後藤さんの横に突然現れた気配に、後藤さんはわずかに飛び上がった後
「…っ煉獄様!お疲れ様です!」
流れるような動作で、その場から移動し、2メートルほど離れたところで地面に這いつくばるように煉獄さんに挨拶をし、”それでは失礼します!”と早口で言うと、あっという間に去って行ってしまった。
…あんなに恐怖の匂いを出して…煉獄さんを怖がる必要なんて少しもないのにな
そんなことを考えながら
「煉獄さん!数日ぶりですね!」
腕を組み、俺のことを見ている煉獄さんを見返した。
「うむ!今日は竈門妹はいないのか?」
「はい。連れてきても連れてこなくてもどちらでもいいと言われたので、蝶屋敷で待っててもらうことにしました!」
不死川さんも来るかもしれないし
という言葉は飲み込むことにした。
「そうか!不死川も来ると言っていたからな!」
…飲み込む必要はなかったみたいだ。
「あぁぁぁあ!煉獄さぁん!炭治郎くぅん!」
「甘露寺!」「甘露寺さん!」
そうこうしている間に甘露寺さん、宇髄さん、しのぶさんがやってきて、俺を含めた5人で近況を話しあっていた。