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鰯料理の盛合せ【鬼滅短編・中編・長編番外編】

第30章 2人で初めてのmerryXmas【暖和】


「本当か!それは嬉しい!実は俺も既に準備してある!だがせっかくここまで来たのだから、すずねが欲しいものを買ってやりたい!何か欲しいものはあるか!?」

「え!?いいですいいです!そんな…二つもプレゼントをもらうことなんて出来ません!」

慌ててそう断ると


「そうか?…だが今日は2人で過ごす初めてのクリスマスイブ…控えめな君もとても好きだが…俺に夫らしいことをさせてはもらえないだろうか?」


杏寿郎さんがじっと私の目を見つめながらそう言ってきた。


「…もう。その顔で見られたら私が断れないってわかってやっていますね?…でも本当に欲しいものはなくて…」


洋服。バック。化粧品。雑貨。頭の中に色々思い浮かべてみるものの、欲しいものは何も出てこない。私はこうして杏寿郎さんがお昼過ぎまで仕事をして来たのに、こんな疲れる人ごみに一緒に来てくれて、クリスマスイブの雰囲気を楽しめるだけで十分だった。

その時、前から歩いてくるカップルの手に持たれているものがふと目に留まった。


「…杏寿郎さん!」

「何か思い浮かんだか?」

「考えてみたんですけど、欲しいものはありません。でも、ずっと杏寿郎さんとしてみたかったことがあります!」

「そうか!ではそれをしよう!」


してみたいことの内容も聞かずにそう言った杏寿郎さんに、”相変わらずだな”と、思いながらもそんな杏寿郎さんのところも心から愛おしいと思う。


「はい!でもまず、皆さんのプレゼントを買わせてください。してみたいことは…その後の方がより良く感じるはずです」

「わかった!ではまずこの先にある本屋に行くとしよう!」

「はい」


そうして私と杏寿郎さんは、まずは千寿郎さんへのプレゼントを買うために本屋へと向かった。



千寿郎さんにいつぞや欲しいと言っていた図鑑を、槇寿郎様に限定品の地酒を、瑠火様にハンドクリームとそれと揃いの香りがするヘアオイルをプレゼントとして購入した。

重いだろうと言って、図鑑と地酒を右手に持っていくれている杏寿郎さんの左腕にひっつき、私は”私が杏寿郎さんとしたいこと”が出来る場所へとその腕を引っ張り誘導して行った。

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