第27章 お前の未来、俺が全て貰い受ける✳︎不死川さん
「もちろんです。俺だって本当はすぐにでも嫁に迎えてェし、他の男がたくさんいるかもしれない場所になんか行って欲しくねぇ。だがそれじゃあ本当にすずねの事を考えているとは言えねェ…もしかしたら途中で我慢できなくなっちまうかもしれねェが、すずねがきちんと社会人として自立出来るようになるまでは…俺も我慢するつもりです」
俺のその言葉に
「…うん。やっぱり君は物凄くいい男だ!おじとして、姪っ子の将来の夫がこんなに出来た男だなんて…すごく嬉しいよ」
すずねのおじさんは心なしか涙ぐみながらそう言ってくれた。すずねもあれだけ不満そうな顔をしていたのに、俺とおじさんの会話を聞き納得がいったのか穏やかな笑みを浮かべながら俺の顔を見ていた。
「後で、すずねのご両親にきちんと挨拶したいと思ってるんですが…気をつけた方がいいこととかってありますか?」
「気をつけた方が良いこと?うぅん…特にないけど。でもすずね、確か今まで彼氏とか家に呼んだことなかったよね?」
そう言いながらおじさんは俺からすずねの方へと視線を移した。
「へ?ま…まぁそうだけど……」
目を左右に揺らし、落ち着かない様子でそう言った後、すずねはおじさんの耳元に口を寄せ
「ちょっとおじさん!実弥さんの前で彼氏がいたとか言わないで!軽い女だと思われちゃうでしょ!」
こそこそと(全部しっかりと聞こえてらァ)そう言っていた。
「いやでもさぁ、はっきり言ってすずねの男を見る目が酷いってすずねのお父さんもお母さんも心配してたから「あぁぁぁぁ!もう!わかったから!それ以上言わないでぇ!」
昔の話を思い出しゃあなんとなく想像つくが…こいつ、相変わらず男を見る目がなかったんだなァ…
そう思うと同時に、またしてもすずねの初めてを他の男に奪われたのかと思うと途端に悔しさのようなものが心の奥底からドロリと湧き上がってきた。