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鰯料理の盛合せ【鬼滅短編・中編・長編番外編】

第27章 お前の未来、俺が全て貰い受ける✳︎不死川さん


すると話をしている間に一度は止まったように見えたすずねの涙が、再びツーっと目じりから零れ落ちた。


「…27…でも…生きて…るん…ですか…?」


声を震わせながらそう尋ねてくるすずねに


「ったりめェだろ?今何時代だと思ってんだ?大正じゃなくて令和だぜェ?」


そう言いながら再びその涙を親指で拭った。

そうしてやるとすずねは泣きながらも


「…っ…よかった…!」


俺のずっと見てえと思っていた花のような笑顔を浮かべた。


…俺は、すずねのこの笑顔が…好きなんだァ


荒んだ心を浄化してくれる。
心の隙間を埋めてくれる。
零れ落ちそうなほどの愛を
これでもかというほどくれる。


今度は。今度こそは。与えられるだけじゃなく、こいつにたくさんの幸せを与えてやりたい。


「…なぁすずね…」

「…っはい。なんでしょう」


頬を包んでいた手はそのままに、その目の奥の奥までのぞき込むようにグッと顔を寄せる。



「先に言われちまったようなもんだが…俺とまた夫婦になっちゃくれねェか?」



俺のその言葉に


「…っ…!」


すずねは驚いたように息を詰まらせた後


「…っなります!今すぐ!実弥さん大好きっ!愛してるっ!」


そう言ってお得意の”大好き”と”愛してる”を俺にくれたのだった。










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「そっかぁ…おじさんは好きだなぁ…そういう前世からの繋がりみたいなやつ!」

「…はぁ…」


すずねのおじさんは俺たちのただならぬ雰囲気を察していつのまにかあの場を去っていてくれたようだった。

殴られるのを覚悟して(人を殴るような人間には見えなかったが、状況が状況だったので仕方ない)すずねと共にバックヤードに向かい、信じてはもらえないだろうと思いながらも俺とすずねが前世で夫婦として共に過ごし、今しがた再会を果たしたことを包み隠さず話した。



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