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鰯料理の盛合せ【鬼滅短編・中編・長編番外編】

第27章 お前の未来、俺が全て貰い受ける✳︎不死川さん


「俺の顔、見ろ」


そう諭すように言うと、すずねはゆっくりとまばたきを一度し、僅かに下がっていた目線を俺のそれに合わせた。けれどもすずねの顔は、涙と鼻水でぐちゃぐちゃになっており、その目線がまたすぐ下がってしまう。


…あん時よりか泣いてんじゃねェか


嘗て俺の死を笑顔で見送ってくれた、あの穏やかな笑顔は何だったんだと聞きたくなるほどだった。


「顔あげろォ」


俺がそう言うと、すずねは俺の言葉に従いゆっくりと顔をあげた。肌つやの良いその頬を両手で包み込み、目じりから次々に零れ落ちてくる涙を親指で拭ってやる。


「お前、俺が今いくつか知ってるかァ?」

「…え?実弥さんの…年齢…?」


急な俺の質問に戸惑ったのか、すずねは目を丸くしながら首を傾げた。


「あぁ。で、いくつだと思う?」


再度同じ質問を投げかけられたすずねは鼻をスンスンとすすりながら俺の顔をじっくりと観察するように見ている。


「…24…?ですか…え?でも…24にしては…こう大人の色気みたいなものがムンムンと香ってきているような…」


僅かに眉間に皺を寄せながらそう言った。あまりにも素っ頓狂な回答に


「…っは!っとに馬鹿だなァ」


言葉の通り馬鹿にしたようにそう言うと


「もう!確かに実弥さんの”馬鹿がァ”は好きですけど、そう何回も言わなくてもいいじゃないですか!」


そう言ってムッと唇を突き出した。


「そう怒んなって。俺は今27だ」


俺のその言葉に


「…27…?」


すずねは酷く驚き、口をぽかんと開いた。そんな顔も、なんとも言えない可愛らしさがある。

「そうだァ。俺はもうとっくに25なんて超えてらァ。だがまだまだピンピンしてるぜェ?」


そう言ってすずねの目をじっと見ながらニヤリと笑いかけた。



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