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鰯料理の盛合せ【鬼滅短編・中編・長編番外編】

第27章 お前の未来、俺が全て貰い受ける✳︎不死川さん


それから宇髄をはじめ、俺とすずねのこと知っている面々が、未だに行方の分からないすずねを探す協力をしてくれてた。だが中々あいつを見つけ出すことが叶わず、焦る気持ちと


”実弥さぁん!”


俺のことが好きだと、その気持ちが全身からダダ漏れになっていたあの笑顔が恋しかった。









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「ただいまァ…」


珍しく7時を回る前に家に帰りつき、普段よりも早めの帰宅をを知らせるようにそう言いながら玄関を開けると


どたどたどたどたどた


歳の離れた弟や妹たちがこっちに向かって駆けてくる騒がしい音が近づいて来るのを感じた。


「「「兄ちゃんおかえりー!」」」


そうして競うように俺のもとに駆けてきて、争うように俺に絡みついて来る弟妹たちはどうしようもなく可愛い。記憶を取り戻す前からもちろん可愛いと思ってはいたが、記憶を取り戻して以降は、玄弥に


”気持ちはわかるけど甘やかしすぎ”


そう言われるほどに甘やかしちまってる自覚はあった。その玄弥と、妹の貞子の姿が、駆け寄ってくるメンバーの中におらず


「玄弥と貞子はどうしたァ?居ねェのか?」


弟たちにそう尋ねた。


「玄弥兄ちゃんと貞子は、花屋に花束を買いに行ってるんだ。なんでも貞子の担任の先生が、明日から赤ちゃん産むのにしばらく学校来なくなっちゃうんだってさ」


寿美はそう言いながら俺が左手に持っていた仕事用のカバンを嬉しそうに持ってくれた。


「そう言やそんなこと言ってたなァ」


弟達の可愛さに顔が緩みそうになるも、はたと大事なことに気が付く。


「…あいつらこんな時間に2人だけで駅の花屋に行ったのかァ?」


母ちゃんの誕生日や母の日に毎度買い物に行く花屋は、この家から車で10分は掛かる。玄弥はともかく、貞子の足じゃ片道1時間、つまりは往復2時間は掛かる。そんな場所に、こんな時間に母ちゃんが2人きりで行かせるとは思えず弟達にそう尋ねた。



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