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鰯料理の盛合せ【鬼滅短編・中編・長編番外編】

第26章 私の全て、永遠に貴方のものです✳︎不死川さん※微裏有


ストンと座布団におろされ


ちぅぅぅぅ


「…ん…ふっ…」


激しく性急な口づけとともに襟の合わせ目に実弥さんの手がするりと入ってくる。

実弥さんに言った通り、私は今後の人生を他の誰かと生きようとも、そして生きたいとも思わない。

つまりこれが私の人生最後の行為だ。


…何もかも…実弥さんの息遣いも、ちょっとかさついた手も、たまにくすぐったいまつ毛の感触も、唇の柔らかさも…全部、全部、一つたりとも忘れたくない。


ちゅっ


音を立て、唇が離れていき


「…泣くには…ちっと早すぎやしねェか…?」


苦笑いを浮かべた実弥さんと目が合った。そんな実弥さんの頬を両手のひらで包み込み


「……忘れないように…強く…深く…私に実弥さんを刻んで…」


そう懇願した。

実弥さんは私のその言葉に大きく目を見開いた後


「…っ…わかってらァ…!…お前は一生…俺の大事な女だ」


そう言って再び私に口づけた。










「…あっ…んぅ…実弥…っ…さ…はっ…」

「…すずね…っ…すずね……!」









決して長い時間ではなかった。それでも、濃密で、身体の奥の奥まで深く、実弥さんの確かな存在を感じることのできる至福の時だった。
























行為を終え、着衣を整えると、私も実弥さんも急いで壱弥が眠っている寝室へと向かった。扉を開けるとすぐに聞こえてきた


すぴーすぴー


壱弥の可愛らしい寝息に、私と実弥さんは目を合わせ笑いあった。

壱弥を真ん中に挟むようにしながら3人で川の字になるように横になり、ぐっすりと眠る壱弥ごしに見える実弥さんも、同じように私と同じような姿勢で壱弥のことを見つめている。


「…どんな男に成長していくんだろうなァ…」


実弥さんと同じく白くてフワフワの前髪を持ち上げながら、実弥さんの大きな手が壱弥の額を優しく撫で、実弥さんはとても優しい笑みを浮かべながらそう言った。


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