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鰯料理の盛合せ【鬼滅短編・中編・長編番外編】

第26章 私の全て、永遠に貴方のものです✳︎不死川さん※微裏有


真剣な表情でそう言った私を実弥さんはじっと見つめた後


「…お前のそういう馬鹿なところも…すげェ可愛いと思ってる」


ふっと口元を緩めながらそう言った。


「…っ…私も…その優しい実弥さんの笑顔が…心の底から好き…」


私は実弥さんの首に両腕を回し


「…私の全部…これからもずっと…何があっても永遠に…実弥さんのものだから…私のこと…壱弥のこと…見守っててね?」


ぎゅぅぅぅぅぅぅっ


力いっぱい実弥さんに抱きついた。


「…苦しいんだよ…馬鹿がァ…」













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それから目を覚ました壱弥と

”私、壱弥、実弥さん”

の並びで手を繋ぎ、遠回りをしながら家へと帰った。

包み隠さず自分の気持ちを伝えられたことで、私は当初の約束通り、そのあとはいつも通りに過ごすことが出来た。




夜になると、お風呂でも実弥さんにたくさん遊んでもらったお陰か、壱弥はぐっすりと眠ってしまい、実弥さんはその姿を目に焼き付けるかのように、壱弥の眠っている布団の横に座り、じっとその寝顔を見つめている。

私もそんな二人の様子を少し離れたところからじっと見つめた。

時計が示している時間は夜の9時。つまり11月29日まで残り3時間。

実弥さんは、自分が何時ころに生まれたのかわからないと言っていた。つまり、時計の針が12を過ぎた後は…いつまで一緒にいられるかわからない。


…1時間…うぅん…1分でも長く…


そう思いながら、無情にも針を進めていく時計を睨みつけた。


ふわり


「…っ…」


大好きな香りが鼻をくすぐり、背中に温かみを感じた。


「すっげェ顔」


実弥さんは、そう言いながら私の身体を後ろから抱き込んだ。


「…実弥さん…温かい」


私を包み込むその腕に、私は自分の手を重ねる。


「…なぁ…すずね…」

「…どうかしましたか?」


歯切れの悪いその言い方に、私がそう尋ねると


「…最後に…お前を抱いても良いかァ…?」


ぎゅっと私を抱き込む力を強めながらそう言った。


「…はい」


私がそう答えると


「ひゃっ!」


実弥さんは軽々と私を横抱きにし、居間の方へと向かった。



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