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鰯料理の盛合せ【鬼滅短編・中編・長編番外編】

第26章 私の全て、永遠に貴方のものです✳︎不死川さん※微裏有


朝食を食べいつもの通り家事をこなし、合間合間で部屋の中や外で遊んでいる実弥さんと壱弥の姿を目に焼き付けるように見た。瞬きをする時間がもったいないと思えるほどに、今日という日が惜しくて、いつも通りを装いながらも、私の心は全然いつも通りじゃなかった。

覚悟はできている。それだけの猶予と、そして機会を与えてもらえたと思っている。それでも


明日のこの時間には実弥さんはもういないかもしれない。


そう考えると胸が押しつぶされてしまいそうだった。ジワリと目頭が熱くなり、鼻の奥がツーンとしてくる。


…だめ。ここで泣いたら…実弥さんも、壱弥も…心配させちゃう。


心を落ち着かせるため

 
すぅぅぅぅ
はぁぁぁぁ


ゆっくりと深呼吸をし


「…っ実弥さん!私、野草を摘みに河原に行ってきますねぇ!」


壱弥とゴロゴロと畳で転げている実弥さんにそう声を掛け、返事を聞く前に私は玄関へと駆け足で向かい、草履を引っ掛け河原へと向かった。






















いつもはたくさん見つけられる筈の野草がちっとも見つからない。それはきっと、私の頭が全然野草探しに集中できていないからだろう。


「…だめだなぁ…」


ドスンとその場に座り込み、ぼんやりと川が流れていくのを見る。こんなことをしている時間があるならば、今すぐ実弥さんのところに行けばいいのに、今会えば泣いてしまうのでそれも出来ない。


「…私の…馬鹿…」


膝を抱えながら小さな声でそう呟くと




「今頃気づいたのかァ?」




「…っ!」


返ってくるはずのない返事が聞こえ、膝に埋めていた顔を上げ声のした方へと顔を向けた。そこには、眠っている壱弥を抱いた実弥さんの姿があった。


パチリ


目があった途端


「…実弥…さん…っ…」


我慢の限界を迎えた私は、涙を堪えることが出来なかった。


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