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鰯料理の盛合せ【鬼滅短編・中編・長編番外編】

第26章 私の全て、永遠に貴方のものです✳︎不死川さん※微裏有


冨岡様の予想通り、辺りが明るくなり出した頃その時は訪れ、冨岡様、奥様、そして壱弥よりも10か月ほど幼い冨岡様の子どもの3人は、とても穏やかな気持ちで別れの時を迎えることが出来たと奥様は私と実弥さんに教えてくれた。


なんて強くて優しい素敵な女性なんだろう。


私は心からそう思った。

鬼殺隊の関係者でも無いのに、冨岡様と奥様が、どのような経緯で知り合い、私と実弥さん以上に短い時間しか共に過ごせないとわかっていながらも夫婦となったのかずっと気になっていた。失礼を承知で私は別れ際にその理由を聞いてみた。

実は奥様は、嘗て冨岡様に命を救われたことがあり、何年も何年も冨岡様を忘れることが出来ず、いつかまたお会いできたらと思い続けていたそうだ。


”義勇さんをたまたま街で見つけた時、これは運命だって思ったの。一緒に過ごせる時間?そんなの全然関係ない。すずねさんなら…わかるでしょ?”


そう言って微笑んだ奥様は、私が今まで見てきたどんな人よりも綺麗だった。



冨岡様、そして奥様にはどれだけ感謝の言葉を伝えても足りない。



























そして今日、11月28日。
実弥さんと過ごせる、最後の1日が始まる。

























「ほら。壱弥。お父さんを起こしてあげて」


私の言葉をしっかりと理解した壱弥は


「…ん!」


そう元気よく返事をすると、未だに布団でぐっすりと眠っている実弥さんに


テテテテテ


駆け寄っていき


「とっとぉぉぉお!」


そう言いながら


ズシン


「…ブハッ」


実弥さんの顔面に座り込んだ。

そのあまりにも大胆な起こし方に


「あはははははははっ」


私はお腹を抱え笑てしまった。




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