第26章 私の全て、永遠に貴方のものです✳︎不死川さん※微裏有
「………」
…きっと…私が聞いていい話じゃない。
そう思いながらも、どうしてもその場から動く気になれず、だめだと思いながらも聞き耳を立ててしまった。
「…壱弥と…すずねを置いて行くことなんてしたかねェ。だが俺は、その運命を避けることはどうにも出来ねェ。あいつはなにも言いやしねェが、俺がいなくなった後、たった1人で壱弥を育てることが不安じゃねェはずがねェんだ。あいつ、俺のこと馬鹿みてェに好きだしよォ。だから、頼む。俺がいなくなった後、可能な範囲で構わねェ。すずねと壱弥のこと、どうか気にかけてやって欲しい………頼む」
そうみんなに頼む実弥さんの言葉に
「………」
涙が、嗚咽が、こぼれてしまいそうになるのをグッと堪えた。
…だめ。…我慢できなく…なりそう
踵を返し、寝室へ戻ろうとすると
「…んなこと言われるまでもねェよ」
宇髄様が大きめの声でそう言ったのが聞こえ、思わず足を止めた。
「お前と柏木の子は…壱弥は、俺たちの子も同然だ。今後、なにがあろうと、俺は…俺たちは、お前がそう出来ない分も柏木と壱弥を見守ってやる」
宇髄様のその言葉に賛同するように
「…私も!私も絶対、すずねさんを助けるって約束します!」
禰󠄀豆子ちゃんや
「私達3人もそのつもりです」
「あぁ」
「その通りです!」
宇髄様の奥様達、
「すずねさんのあの可愛い笑顔のためなら、喜んでなんでもするし」
善逸くんに
「この山の近辺は俺の縄張りも同然。仕方ねぇから面倒見てやろう」
伊之助くんまでもそう言ってくれた。更には
「…俺も!みんなよりは…長くそう出来ないけど…時間の許す限り、俺もすずねさんと壱弥君の助けになると…約束します!」
同じ痣の代償の運命を迎える炭治郎君に
「…俺が一番最初に痣の代償でこの世を去る。あいつに、俺がいかにしてその時を迎えたのか、事細かに不死川に伝えるように言っておこう。だから不死川は、後悔のないよう柏木と、子どもと共に時間を過ごせ」
冨岡様までもがそう言ってくれた。