第26章 私の全て、永遠に貴方のものです✳︎不死川さん※微裏有
…え?今…実弥さん…壱弥が私に似て”可愛いって…言ったよね?それってつまり…
実弥さんの言葉をそう捉えたのは私だけじゃなかったようで
「ほぉう。そうかそうか。お前の息子の口元は、お前の可愛い嫁さんと一緒ってことかぁ。そりゃあよかったなぁ」
宇髄様がそれはもうわざとらしく、みんなに聞こえるような大きな声でそう言った。
「…っな…!」
実弥さんは自分の失言に気がついたのか、顔を真っ赤に染め目を大きく見開いた。そして宇髄様に向け怒鳴る…かと思ったが、壱弥を驚かせてはいけないと思ったようで、グッとその怒鳴り声を飲み込んだのが伺い見えた。
「……黙れ馬鹿がァ…」
そう言った実弥さんの耳は、真っ赤に染まっていて
「やだっ…実弥さんてば…可愛い!」
実弥さんに反して言葉を飲み込むことが出来なかった私の声で
パチリ
「「「「あ」」」」
結局壱弥は目を覚ましてしまったのだった。
「…すずね…!」
壱弥が起きてしまった…からではなく、皆さんの前で実弥さんを"可愛い"と言ってしまった私を、実弥さんがギロリと鋭い目つきで睨みつけてくる。
「…その目も…素敵…」
私がうっとりとしながらそう言うと
「…お前…まじ黙っとけやァ…」
真っ赤な耳をしたままの実弥さんがそう言った。
目を開けた壱弥の顔をじっとみた宇髄様が
「やっぱ、ほぼほぼ不死川じゃん」
実弥さんと壱弥の顔を見比べながらそう言った。その言葉に、宇髄様以外の全員が同意を示すようにうんうんと大きく頷いており
「…うっせ…」
結局、満更でもなさそうな声色でそう言った実弥さんの顔は、とても、とても、とーっても可愛いのだった。