第26章 私の全て、永遠に貴方のものです✳︎不死川さん※微裏有
私は、あの日実弥さんが痣の代償で25歳までしか生きることが出来ないと聞いた時から、実弥さんと共に旅に出て、夫婦となり子を授かる今に至るまでにどんなやり取りがあり、どんな話をしてきたのか大事な部分をかいつまんで話した。
「…そんな経緯で二人は夫婦になったんですね」
「そう。私が、どうしても実弥さんの側にいたいって、押して押して押しまくったの」
えへへと笑う私を、炭治郎君は優しい目で見てくれている。
「…炭治郎君も…側にいたいって思う相手…いるんだよね?」
私がそう尋ねると
「……はい…」
その相手の姿を思い浮かべているのか、愛おしいげに目を細めながらそう言った。
「…そっか。…炭治郎君はさ、その人のこと、好きなんだよね?」
「はい。凄く好きです」
私の質問に、炭治郎君は間髪なく答えた。
「…ふふっ。そっかぁ」
その様子がなんだかとても微笑ましく、失礼かなと思いながらも私は頬が緩んでしまうのを堪えることが出来ない。
「それで、その人…栗花落様も、炭治郎君のこと、好きって言ってくれてるんだよね?」
私がそう尋ねると
「…え!?」
顔を真っ赤に染めた炭治郎君が目を丸くし驚いていた。そしてしばらく"え?""あっと…""その…"と言いながらワタワタした後
「…っ…どうして…知ってるんですか…?」
依然として真っ赤な顔をしながら私にそう尋ねてくる。
「ふふっ。元隠の情報網を舐めたらだめよぉ?」
ニヤニヤと少し意地悪な笑みを浮かべながら私がそう言うと
「…俺…恥ずかしくてどうかしそう…」
炭治郎君は右掌で顔を覆いながらそう言った。そんな様子が私には微笑ましくて堪らなかった。
「炭治郎君は栗花落様のことが好きで、栗花落様も炭治郎君のことが好き…なんだよね?…2人はもう恋仲なの?」
私がそう尋ねると、炭治郎君は先程までの可愛らしい表情から一変し、神妙な表情へと変わる。