第26章 私の全て、永遠に貴方のものです✳︎不死川さん※微裏有
「禰󠄀豆子ちゃん。悪いんだけど先に行っててもらえるかな?」
禰󠄀豆子ちゃんは私のそのお願いに
「はい!不死川さんにはすずねさんはお兄ちゃんとちょっと話してるって伝えておくので…お兄ちゃんの話、じっくり聞いてやってください」
そう返事をくれた後、草履を脱ぎ
「それじゃあまた!」
と言って急ぎ足で私が来た方へと小走りで去って行った。
その姿が見えなくなった後
「…よいしょ」
禰󠄀豆子ちゃんとは反対に私は玄関に腰かけ草履を履こうとした。すると
「あ!お腹苦しくないですか!?よければ俺が履かせてあげますんで!」
炭治郎君が私の足元にかがみながらそう言った。
「大丈夫!それくらい自分でできるから。…炭治郎君も、実弥さんに負けず劣らず、心配性なタイプだねぇ。それじゃあこの先色々大変だぞぉ」
お腹を圧迫しないように草履を履き、履き終えた私が炭治郎君の顔をニッコリと笑みを浮かべながら言うと
「…そう…ですかね」
炭治郎君は再びほんの少しその表情に影を落としながらそう言った。
「よし。それじゃあ…お外で話そうか」
「はい。お願いします!」
そうして私と炭治郎君は、宇髄様の屋敷から外に出た。
「さて、私と話したいって言うのは…実弥さんと私の事だよね?」
屋敷の側に生えていた大きなクスノキに寄りかかり、私と炭治郎君は肩を並べるようにして話を始めた。
私のその問いかけに、炭治郎君は
「…はい」
斜め下をじっと見ながら、静かにそう答えた。そしてその後顔を上げ、私の顔をじっと見ると
「話したくないと思ったらそう言ってもらって構いません。でももし可能であれば…不死川さんとすずねさん…二人がどういう経緯で恋仲になって、夫婦になって…子どもを設ける決心をしたのか…俺に教えて下さい」
そう尋ねてきた。
「…やっぱりね。そんな感じの事を聞かれると思ってたの!良いよぉ!私と実弥さんの熱い熱い恋物語…炭治郎君に包み隠さずお話ししちゃう!」
私がおどけたようにそう言うと、炭治郎君は緊張した表情をフッと緩め
「お願いします!」
そう答えてくれた。