第26章 私の全て、永遠に貴方のものです✳︎不死川さん※微裏有
「今日は宇髄様の奥様達もいるし、炭治郎君や禰󠄀豆子ちゃんも来てくれます。久しぶりに冨岡様とも会うんですよね?だから私のことは気にしないで、たまには実弥さんも羽目を外してください!」
そう言いながら
「っオイ!」
実弥さんの左腕をグイグイと引っ張り宇髄様の隣へと誘導し、両手で肩をグイっと押し宇髄様の隣に座らせた。
「ありがとなぁ柏木。ほら、かわいい嫁がそう言ってくれてんだろ!その気持ちをくんでやるのも旦那の勤めだぜ!」
そう言いながら宇髄様は、コップいっぱいにお酒を注ぎ、それを実弥さんにグイと押し付けるように渡した。実弥さんはそれを黙って受け取り、私の顔へチラリと視線を寄越す。
「はい!グイっと行きましょう!」
「…悪ィな」
そして実弥さんは、コップに注がれたお酒をグイっと一口で飲み干した。
「いい飲みっぷりじゃねえか!ま、この俺には劣るがな」
「はァ!?んなわけねェだろ!?」
そうして楽しげに少し早い酒盛りを始めた二人から離れ、私はせかせかと動いている奥様方の元へと向かった。
「あの、何かお手伝いすることありますか?」
私がそう声を掛けると
「そんなに気を遣わなくて良いのよ?お腹も重いでしょうし、不死川様のところにいていいのよ?」
雛鶴さんにそう言われてしまう。
「でもきっと、私が側にいると話しにくいこともあると思うんですよねぇ…だから、こっちでお手伝いさせてもらえると助かります」
私がそう言うと
「…そうねぇ。それじゃあ、盛り付けを手伝ってもらってもいいかしら?」
雛鶴さんは、ニコリと優しい笑みを浮かべながらそう言ってくれた。
…あぁ。いつ見ても綺麗で素敵。憧れるなぁ。
そんなことを頭の中で考えながら
「はい!お任せください!」
私はグイっと腕まくりをし、憧れの雛鶴さんに任せてもらった仕事、盛り付けに取り掛かった。