第26章 私の全て、永遠に貴方のものです✳︎不死川さん※微裏有
宇髄様のところで過ごす時間は減ってしまうかもしれないし、実弥さんとの密着度もおんぶに比べればかなり少ない。それでも私は、実弥さんにこうして手を引かれ、タクシーに並んで座れるこの状況も、ものすごく嬉しかった。
「お前らよく来たな!」
「…っやめろくそがァ!その無駄にでけェ身体くつけてくんじゃねェよ!」
…実弥さん…楽しそう。
元鬼殺隊音柱・宇髄天元様。実弥さんにとってとても大事な嘗ての仲間だ。
「お久しぶりです宇髄様。今日明日とお世話になります」
そう言いながら私が深くお辞儀をすると
「んな堅苦しい挨拶すんなって。柏木も身重の体でよく来たな!元気そうでよかったぜ」
「はい!私もこの子も、とっても元気です!」
「そりゃよかったなぁ」
そう言いながら宇髄様は私の以前と比べかなり大きくなったお腹にそっと触れてくれた。そんな宇髄様の行動を咎めたのは
「おい宇髄。人の嫁の腹、勝手に触ってんじゃねェよ」
他でもない実弥さんだった。その言葉に
パチリ
私と宇髄様の視線がかち合う。
「…っ宇髄様!聞きましたか!?今、実弥さんが私の事を”人の嫁”と!”勝手に触るな”と言ってくれました!」
私がそう声を弾ませながら言うと
「おうおうこの耳でばっちり聞いたぜ。あの不死川が、人の嫁に勝手に触るなだってなぁ。いやぁ。こいつの口からそんな言葉を聞く日が来るたぁ俺は涙が出てきそうになるほど嬉しいぜ!」
宇髄様が満面の笑みを浮かべながらそう言った。
そんな宇髄様の様子に
「っるっせェんだよ馬鹿がァ!」
実弥さんが珍しく顔を赤面させながらそう言った。そして私にも
「おいこらすずね!お前ェもくだらねェことで喜ぶなァ!」
半ば怒鳴るようにそう言った。