第25章 私をあなたの特別に✳︎宇髄さん
最後に本屋にでも寄って帰ろうと思ったその時
ポロンポロンポロン
ポロンポロンポロン
私の鞄に入っていたスマートフォンが電話が来てるよと騒ぎだし
…電話?こんな時間に誰からだろう?
そう不思議に思いながら鞄に手を突っ込みスマートフォンをとり出した。
画面をみて見るも
…知らない…番号だ。
名前の表示はなく
080********
と番号だけが表示されていた。
基本的に私は知らない番号からの電話は取らない。会社関係で電話をかけてくる相手はきちんと登録してあるし、もし万が一本当に用事があるのであれば一度電話に出なくても、もう一度かけてくる場合が多いからだ。
…長いな。
着信は中々止まず、意味もなくじっとその画面を見守ってしまう。その内電話の相手は諦めたのか、着信音が途切れ、私のスマートフォンの電話マークのところに不在着信を伝える赤丸の1が表示された。
…間違い電話かな?
そんなことを考えながらスマートフォンを鞄にしまおうとしたその時
ポロンポロンポロン
ポロンポロンポロン
…また?
再びスマートフォンが鳴り始めた。画面を確認すると、予想通り先程の電話番号と同じ番号からの着信で
仕方ない。出てみよう。
そう思った私は通話ボタンをタップし
「…もしもし?」
その電話を取った。
"こんばんは!俺の名前は煉獄杏寿郎です!こちらの番号はすずねさんのものでよろしかったでしょうか?"
…煉獄…杏寿郎?…全然聞いたことない名前だけど…いったい誰だろう?
そう疑問に思いながらも
「…はい。そうですが…あの、どちら様でしょうか?」
私は電話の向こう側にいる煉獄杏寿郎さんにそう尋ねた。
"はい!俺は中高一貫キメツ学園の歴史担当の教師で剣道部の…""何ァに呑気に自己紹介してんだァ!さっさと本題に移れやァ!""…と、そうだったな"
電話の向こうは何やら騒がしく、煉獄杏寿郎さんと話しているはずなのに、何故か途中他の人の怒鳴り声が聞こえたりと怪しさ満点だった。