第25章 私をあなたの特別に✳︎宇髄さん
「シャワーありがとうございました」
「いいってことよ。つうか俺、飲みすぎて寝みいからそろそろ寝ていいか?」
私がいない間にもかなり飲んだのか、テーブルの上には先程とは別のワインのボトルが空っぽな状態で置かれていた。
「お酒、強いんですね。二日酔いとかならないんですか?」
「この俺が二日酔いなんてだせぇもんになると思うか?つうか何その恰好。無駄に可愛いじゃん。あざといっつうの?」
宇髄さんに借りたのは、真っ黒な大きなTシャツのみ。それから流石にノーブラはいただけないので、若干気になりはするが今日1日着けていたブラを着け、これまた若干気になりはするが頂いたショーツを身に着けているのみ。
「…っ別に狙てこういう風になったわけじゃありません!そう言うのであれば下も貸してくださいよ!」
「お前にかせる下なんてもってねぇし……ああ゛駄目だ…寝みい!歯ぁ磨いてもう寝んぞ!」
そう言ってソファーから立ち上がると、私の肩をグッと抱きつい先ほどまでいた洗面所へと連れていかれた。
「ほれ。歯磨き」
当たり前のように新品の歯磨きを出してくる宇髄さんの手からそれを受け取る。
「…ありがとうございます。これも、後でお返ししますね」
「いやだからいらねぇし。っとにくそ真面目な女」
「誉め言葉として、受け取っておきますね」
別に本当に返した方がいいなんて思っているわけじゃない。ここに来るたくさんの女の子たちと少しでも違うことが出来たらと…そんな馬鹿げたことを考えていたのかもしれない。
歯を磨き終え、リビングに戻って来た私が
「あの、なにか掛けるもの借りても良いですか?」
宇髄さんにそうお願いすると
「は?何お前、どこで寝るつもりなわけ?」
何言ってんだこいつ?といわんばかりの顔で宇髄さんにそう言われてしまう。
「…ソファーを…お借りしようかと…」
「なんでわざわざソファーで寝んだよ。一緒にベッドで寝ればいいだろ」
「え?でも…いいんですか?」
私がそう尋ねると
「いいに決まってんだろ。むしろ俺、抱き枕がねぇとよく眠れねぇの」
そう言って私の手をグっと掴み、先ほど宇髄さんが何度か出入りしていた部屋へと連れていかれた。