第25章 私をあなたの特別に✳︎宇髄さん
「……こんな私でも…可愛くなれますかね…?」
自信なさげに私がそう尋ねると
「はぁ?俺を誰だと思ってやがる。祭りの神、宇髄天元様だせ?あのくそダサ野郎が後悔して泣くくらい、とびっきりのいい女にしてやるぜ?」
私の前髪にサラリと触れながら宇髄さんはそう言った。
「…それじゃあ…お願いします!」
宇髄さんとは今日初めて会ったばかりだというのに、私は何故かその言葉を信じられると思った。
「そうこなくっちゃな!じゃああいつとちっとばかり打ち合わせしてくるから、これでも見ながら待ってな」
そう言って宇髄さんが私に手渡してきたのは
”モテ女は今これを着る!”
と書いてある、最近一番話題のモデルが表紙のファッション雑誌だった。
…こんなの、私には必要ないと思ってたけど…ちゃんと見てみようかな。
煌びやかな表紙をめくり、私は何年か振りにファッション雑誌というものに目を通し始めた。
10ページほどページを進めた頃
「はい。じゃあ今日は、天元さんと俺にお任せってことで…良いかな?」
そう言って道具一式を持ってきた後輩さんが私の席へとやって来た。
「はい。心の準備は出来ていますので…どうぞよろしくお願いします」
「よっしゃ!じゃあ俺がすずねちゃんにぴったしの可愛い髪形に変えてあげるから!楽しみにしててね」
「任せたぜ?万が一失敗したらお前丸刈りな」
「まっさか!このカリスマ美容師の俺が失敗するわきゃないでしょ?任せといてください!」
「おうおうそうかい。じゃあ俺は、2時間後に戻ってくるから、よろしく頼んだぜ」
「うっす!」
そう言って宇髄さんは美容室を出て行ってしまった。
「それじゃあ始めるよぉ」
「はい…お願いします」
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それから2時間後。
「随分といい女になったじゃねぇか」
「でしょぉ?さっすがカリスマ美容師と名高い俺の腕!」
「俺の見立てがいいんだよ」
……これが…私…?