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鰯料理の盛合せ【鬼滅短編・中編・長編番外編】

第24章 私の全て、余す事なくもらってください✳︎不死川さん※裏表現有




”兄ちゃんのことくれぐれも宜しく頼みます”

”もちろん。これでもかってくらいの幸せを持たせてそっちに送り出すから、その時が来たら実弥さんのこと迎えに来てね?”

”言われなくてもそのつもりですよ。弟妹たち、全員連れて迎えに行きますから。兄ちゃんには内緒にして下さい”

”うん。それまではしばらくそこから見守ってて”

”あんまり兄ちゃん困らせないで下さいよ?兄ちゃんあぁ見えて凄え優しくて心配性なんだから”

”ふふっそんなのもう知ってますよぉ”

”あっそ。じゃあ…兄ちゃんと、俺の可愛い甥っ子のこと…くれぐれもよろしくお願いします”

”え?ちょっと待って!甥っ子って………”













ふと目が覚めると、外はまだ明るく、目の前にはものすごい筋肉の傷だらけの胸板があった。


目が覚めても…実弥さんがいる。…嬉しい。


実弥さんとようやく心も身体も結ばれることが叶い、私の胸は幸せで一杯だった。


そういえば…すごく暖かい夢を見ていた気がする…あぁでも内容をはっきり思い出せない。


夢の中でとても大切な話をしていたことは覚えているのにその内容は不思議と思い出せなかった。頑張って思い出そうとするも、一度忘れてしまった夢の内容を思い出すことは至難の業、いやむしろ一度たりとも思い出せた試しがない。


でも…なんだかまた、同じ夢を見れるような…そんな気がする。


そんなことを考えているとブルリと肌寒さを感じ、自分がまだ何も身にまとっていないことに気が付く。けれどもあれだけビシャビシャになっていた筈の下半身はすっかり綺麗にされていた。


きっと実弥さんが綺麗にしてくれたんだろうな…


「…好き」


そう言いながら実弥さんの胸板にスリッと頬を摺り寄せると


「なんだァ?あんだけへばってた癖に、まだし足りねェってか?」


いつの間に目が覚めたのか、実弥さんの優しい視線が私に注がれていた。その視線からは確かな愛情を感じ、あんなにも実弥さんからの愛に渇望していた私の心は、この数時間で溢れんばかりのそれで満たされていた。


「…足りないって言ったら…またしてくれるんですか?」

「…はっ!欲張りな奴だァ」


そんな風に言いながらも、実弥さんの手は私の後頭部を優しく撫で、グイッともっとくっついて欲しいと言わんばかりにその胸板へと引き寄せられた。
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