第24章 私の全て、余す事なくもらってください✳︎不死川さん※裏表現有
滞在している部屋に戻ると、実弥さんの姿は部屋になく、
またその辺を散歩にでも行っているのかな?
そんなことを思いながら部屋に備え付けられている座椅子にギシリと音を立てて腰掛けた。
ぺりぺりと丁寧に封筒を開き、中の便箋を取り出す。3つ折りになっている便箋を開くと、その文字の持ち主と同じく綺麗な文字で私の手紙に対する返事がしたためられていた。
その内容は、経験がほとんどないに等しい私にとってはいささか恥ずかしく感じてしまう内容で
私…こんな風に出来るかな?
そう不安に思いながらも
…時間は限られてるんだもん。やるの。うぅん。やらなきゃ!
そう自分に言い聞かせ、私はその手紙を丁寧に畳みなおし、再び封筒の中に戻した。
決戦は今夜。頑張るのよ、私。
自分の両頬を、パシンッと両手で軽く叩き、私は心の中で今晩の作戦を立てながら実弥さんが帰って来るのを待った。
「…そろそろ寝ましょうか」
「そうだなァ」
あっという間に決戦の夜が来た。
いつもと同じように二人並んで布団に入り、いつものように背中を向けられてしまう。なのでいつもと同じようにおやすみの口づけをねだる。この行為を拒否されたことは一度も無い。
言葉ではあんな風に言っていても、嫌々してくれているわけでは無いことも、その見た目と反する丁寧な扱いから見て取れる。
でも、私はもうそれじゃあ物足りない。一刻も早くこの先に進んで、愛するこの人の子を孕みたい。そして実弥さんがその子と共に過ごす時間を、1分でも、1秒でも、長く設けたい。
文面から得た情報で何処までできるのか不安ではあった。けれども夜を待つ間に何度も何度も頭の中でその映像を思い浮かべ試してみた。
大丈夫。私はやれる。
そう思いながら
ちぅ
と軽く触れ、あっという間に離れていこうとする顔をグイっと首に腕を回し捕まえ
ちゅるり
自ら実弥さんの口内に舌を差し込んだ。
自分の舌に触れた実弥さんの柔らかい舌の感触に、自分でそうしているはずなの背中がゾクゾクとした。