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鰯料理の盛合せ【鬼滅短編・中編・長編番外編】

第24章 私の全て、余す事なくもらってください✳︎不死川さん※裏表現有


”ほら…もっと頑張れよ”

”…あ…だめぇ…そこは…”

”そんなんでへばってたら…俺の相手は務まらねェぜ”

”…や…頑張るか…もっと…もっとして…”

”…はっ…可愛いやつ…”












パチリと目が覚め、私の視界に入ってきたのは艶っぽい実弥さんの顔ではなく、無機質な天井。


「…っまた……もうやだぁ…」


起き抜け一番に私が発した言葉がこれだ。

私はここ数日、実弥さんとそうなりたいと思うばかりに卑猥な夢を見るようになってしまったのだ。


「これで3日連続…」


初めてこの夢を見たあの日は、とにかく恥ずかしさでいっぱいになり、1日中ずっと実弥さんの顔をまともに見ることが出来なかった。2回目は恥ずかしさ半分、そしてそんな夢を2日連続で見てしまった自分に嫌悪感を感じた。そしてとうとう3日目。もう嫌悪感しか感じない。


どうして…手を出してきてくれないのかな?


混浴には、ごくたまに一緒に入ってくれる。けれどもそれも、私がせがんでせがんでやっと折れてもらっている感じで、私が望んでいるような甘い囲気とは遠くかけ離れている。


いくら受けとめてもらえたとはいえ、私の一方的ともいえる気持ちから始まった関係であることは十分理解している。それでも、



側にいるはずなのにとっても遠い



私の心には、段々と寂しさが募っていくのだった。


「これ、お願い出来る?」


何とかこの状況を打開したくて、もう自由に生きてもいいと実弥さんに言われたのも関わらず、


「持って行ってやらないこともない」


ずっと側にいてくれる爽籟に私は文を託した。







—————————————-









「え?もう返事をくれたの?」


文を持っていき、戻ってきた爽籟の嘴には封筒が咥えられており、私の文を読んですぐさま返事を寄こしてくれたことが伺えた。


「ありがとう!後でたっぷりお礼するから!」

「きたいしねぇでまってらぁ」


実弥さんの口調を上手にまねしたそのしゃべり方が可愛らしく


「ふふっ…目いっぱい期待してて!」


落ち込んでいたのも忘れ、私はそう笑ってしまったのだった。


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