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鰯料理の盛合せ【鬼滅短編・中編・長編番外編】

第23章 呪いの言葉、つるぺったん✳︎煉獄さん※裏表現有り


どの口がそれを言うか。


”余計な事喋るんじゃないわよ”と目で訴えて来る2人の視線を浴びながら


「そうなんですねぇ。ありがたいことですねぇ」


私はなるべくにこやかな笑みを顔に張り付けながらそう答えた。


「うむ」


杏寿郎さんはそう言うと、彼女たちに挟まれるように立っていた場所から、何故か私の後ろにすたすたと移動してくる。


「杏寿郎さん?」


不思議に思い、後ろにある杏寿郎さんの顔を仰ぎ見ると


むぎゅっ


「「「え?」」」


杏寿郎さんの手が背後から私の胸を鷲掴みにした。

私も、目の前にいる2人も杏寿郎さんのあまりにも突拍子もない行動に付いていけず、無言のまま立ちつくす。そんな私たちを置いてけぼりにし


「実はな、この子のこの可愛いここを馬鹿にする不届きものがいたようで、この子の心はひどく傷つけられた。こんな手触りが良く、感度の良い代物、他にはありもしないのに。そもそも俺はこの子のここにしか興味がないのだがな」


何やら良くわからないことをそれはもう淡々と述べていく。


「お陰で俺は2度もこの子に情を交わすのを拒否されてしまってな。いったいどこの誰かは知らないが、この子を傷つけ、俺との仲を引き裂こうとする等あるまじき行為だ。だが先ほど、この子の心にもそして身体にも嫌というほど愛情を注ぎこんだ。恐らくもう何の心配もいらないが、また何か言ってくるかもわからない。だから君たち、もしそのような場面に立ち会うことがあれば、どうか俺の愛おしいこの子を助けてやってくれ」


杏寿郎さんは持ち前の肺活量で、見事一息でそう言い切った。





「わ…わかりました…」

「あ、あの…私たち…任務があるので……失礼します」





顔を真っ青に染め、小声でそう言い去っていく二人の背中に向け


「うむ!気を付けて行くように!」


まるで何事もなかったかのように杏寿郎さんはそう言葉を投げかけた。


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