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鰯料理の盛合せ【鬼滅短編・中編・長編番外編】

第23章 呪いの言葉、つるぺったん✳︎煉獄さん※裏表現有り


…っ最悪…なんでこんな場所で。


そう思いはしたが、”あの二人なんてどうでも良い”と思う気持ちの方が大きかった。

そもそも、私は別にあの二人の悪口に傷ついていたのではなく、自分の胸の大きさが恥ずかしいと思っていただけだ。そんな気持ちも、あれだけ杏寿郎さんに優しく諭され(いや優しくはなかったかもしれない)、心も身体も愛され、可愛い可愛いと何度も言われれば、もう恥ずかしいと思うはずもない。強いて言えば、ただこの楽しい気持ちをぶち壊しにされるのが嫌だった。


「あの子、まだ炎柱と別れてないらしいよ」

「ねぇ!図々しいにもほどがあるでしょ!つるぺったんの癖して!」

きゃはははは


言って気が済むんならどうぞ好き勝手言って下さい。


そんなことを考えながら野菜を次々に籠に入れていくと


「あ!炎柱様じゃん!」

「本当だ!この女と一緒って言うのはムカつくけど、こんなところで会えるなんてついてるぅ!」

「挨拶しに行こうよ!」

「そうね!ちょっとあんた、邪魔すんじゃないわよ!」


二人のそんな会話が耳に入り


はいはいお好きにどうぞ


心の中で呟き、我関せずと言わんばかりに野菜を選び続けた。

そのまま満足いくまで野菜を選び、代金を払い終えた私が八百屋から通りの方に出ると


「すずね!少しいいだろうか?」


杏寿郎さんにそう声を掛けられ、ほくほくと購入した美味しそうな野菜たちから


「なんですか?」


杏寿郎さんの声がする方に顔を顔を向けた。


「っ!?!?!?」


そこには声の主である杏寿郎さんと、懸命に作り笑いを浮かべていると思われる、先ほどの2人の姿があった。


何?なんでこの2人と一緒にいるの?
挨拶まだ済んでないの?


そんなことを考えながらも、懸命に動揺を隠す私に


「この2人なんだがな、とても心優しい者たちのようで、君と俺の事を心から応援していると言ってくれた」


杏寿郎さんは、なにやらいつも以上にニコニコとした顔をしながら言った。

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