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鰯料理の盛合せ【鬼滅短編・中編・長編番外編】

第23章 呪いの言葉、つるぺったん✳︎煉獄さん※裏表現有り


「…嘘ですよね?」


あまりの内容に、私は思わずそう尋ねてしまった。


「すずねは俺のことを嘘つきだと思っているのか?」


そんな私の言葉に杏寿郎さんは少しムッとした表情を見せる。


「…っそんな風には思ってませんけど…っでも!指圧で胸が大きくなるのであれば、自分のこの手で指圧すれば十分ですよね?なにも杏寿郎さんの手で…しなくっても…」

「いいや。胡蝶の話では、俺の手でないと効果はあまりないらしい」

「どうしてです?」

「好いた相手にそこを指圧してもらうことでホル…ホル……なんと言っただろうか…どうにも横文字は苦手だ。まあいい!脳が幸せを感じそのホルなんとかが分泌され胸が大きくなることにつながるそうだ」

「…そんなこと…あるんですか?」

「確かに胡蝶がそう言った!よもやすずねは、胡蝶の言葉が信じられないとでも?」


杏寿郎さんは、まるで私を試すような口調でそう尋ねてきた。しのぶ様に対する自分の忠誠心を疑われるような言葉にカチンときた私は


「…っそんなことあるわけないじゃないですか!わかりました!じゃあお願いします!思う存分やってください!」


そう言いながら、手拭いをグチャグチャなままバシンと自分の隣に叩きつけるように置いた。すると杏寿郎さんは、私が置いた手拭いをサッと拾い上げ、グイッと腕を伸ばしなるべく遠くにその手拭いを置く。


そして私の耳元に口を寄せると


「その言葉…俺は決して忘れない」

「…っ!」


艶っぽくそう囁いた。


あ、まずい。絶対に選択を間違えた。


そう思うも後の祭り。


「…あの…杏寿郎さん…?」


ゆっくりと振り返りながらそう声をかけ、杏寿郎さんの顔を仰ぎ見る。


「では始めよう!」


杏寿郎さんは私の問いかけを無視し、先程一瞬見せた艶っぽい雰囲気が嘘のように、いつもの快活な様子でそう言った。



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