第23章 呪いの言葉、つるぺったん✳︎煉獄さん※裏表現有り
"嫁に出す"
その言葉に、私の頬はかぁっと急激に熱くなる。そして
「…しのぶ様ったら…」
しのぶ様が私のためにそんな風に言ってくれたことがたまらなく嬉しかった。
「だからすずね!俺に、君の憂いを晴らす手伝いをさせてほしい!だから一緒に湯浴みをしよう!」
杏寿郎さんが、私を元気づけようとしてくれていることは、その優しい笑顔と、私の手を依然として優しく包み込んでくれているその手の温もりから十分に伝わってきた。けれども
「…私の憂いを晴らすことと、湯浴みと…なんの関係があるんですか?」
いまいちその繋がりが理解できない私は、首を傾げ杏寿郎さんにそう尋ねた。
「それは湯殿で説明しよう!では行こう!」
「…え!?…ちょっ…」
いつの間にか杏寿郎さんの中で私が一緒に湯浴みをする事を了承したことになっており、立ち上がった杏寿郎さんは、私の手を包むために一旦廊下に置いていた私の荷物をヒョイと持ち上げ、ズンズンと屋敷の奥へと私の手を引きながら向かっていった。
「すずね入ってくるといい!」
「…はい…っ!」
あれよあれよという間に杏寿郎さんの部屋に連れていかれ、荷解きもろくにしないまま、着替えだけ待たされ、今度は湯殿へと連れていかれてしまった。
湯殿についた杏寿郎さんは、一切の戸惑いを見せる事なく私の目の前で隊服を脱ぎ始め、慌てふためく私の様子を面白がりながらあっという間に一糸まとわぬ姿になった。そして、あっという間に湯を浴びに中に入って行ってしまった。
一方私は、一緒に入ると決めたものの、やはり自分のつるぺったんな乳房を、明るいところで見られてしまうのが恥ずかしく、自然とノロノロとした動作で身に纏っていた服を脱いでいた。
そんな私に、きちんと入ってくるのか心配になったのか、暗に早く来るように急かしたと思われるのが冒頭の言葉だ。
…大丈夫!だって、しのぶ様が良い案があるって…それを杏寿郎さんに伝えておくって言ってくれたんだもの!それに杏寿郎さんだって、あんなにも私を励まそうとしてくれたんだもの!いつまでも尻込みなんてしてたら駄目!行くのよ私!
そう自分を鼓舞し、急いで服を脱ぎ去り、大きめの手拭いで身体を隠すと(それくらいは許して欲しい)、杏寿郎さんの待つ浴室へと足を踏み入れた。
