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鰯料理の盛合せ【鬼滅短編・中編・長編番外編】

第23章 呪いの言葉、つるぺったん✳︎煉獄さん※裏表現有り


しのぶ様から2日間の休暇を取るようにと言われたのは、それから3日後の事だった。


「まもなく到着すると煉獄さんの鴉から連絡が…「失礼する!すずね!迎えにきた!」…これなら鴉を飛ばすまでもなかったでしょうに」


蝶屋敷の玄関から聞こえてくる、杏寿郎さんの大声に、しのぶ様がこめかみをピクピクと痙攣させながら言った。


「準備はできていますか?」


そう尋ねてきたしのぶ様に


「…荷物と身支度は済んでいます…でも…心の準備がまだ出来ていませんっ!」


自分の腕で自分をぎゅっと抱きしめなんとか心を落ち着かせようと試みる。


…こんなにドキドキするの…初めて身体を交えた時以来だ…。まだ…このつるぺったんを見せる勇気はないよ…。でも流石に、2回も断ってて、しかも今回は杏寿郎さんの御屋敷に泊めてもらうんだもん…”できません”なんて…言えるはずがない。それに本当は私だって…。


この小さい胸を見られるのは、触られるのは、凄く恥ずかしい。それでも、杏寿郎さんとそうしたくない訳ではない。むしろ、そうしたいとすら思っている位だ。


あの言葉が、”つるぺったん”が、私の情欲を、羞恥と劣等感に塗り替えていく。


「大丈夫です。煉獄さんには事前に私の方から色々とお伝えしえあります」

「…色々…ですか?」

「はい。色々です。まぁ兎に角、すずねさんは明日、煉獄さんが見回りに行かれる時間までは、煉獄さんのところで、ゆっくり過ごしてもらって、あの暑苦しいくらいの愛情をたっぷりと受けてきてください」


そう言いながらしのぶ様はにっこりと、女の私でも見とれてしまいそうな綺麗な笑顔を浮かべ、私に向け、優しけれどなにやら企んでいそうだなとも思える視線を向けてきた。

その視線に、何とも言えない不安を感じ


「なんですそれ…ちょっと怖「失礼する!」っ!?」


”怖いんですけど”と言おうとした私の言葉を遮ったのは


「こんにちは、煉獄さん。相変わらず大きくて、蝶屋敷中に響き渡っていそうなご挨拶ですね」

「うむ!挨拶は人と人との関わり合いにおいて基本であり、重要な役割を果たしているからな!」


しのぶ様の嫌味を嫌味ととることが全くできず(言っていることは真っ当とも言えるのだが)、いつの間にか台所まで進入してきていた杏寿郎さんだ。


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