第23章 呪いの言葉、つるぺったん✳︎煉獄さん※裏表現有り
なんとも言えないこの空気を変えるように
コホン
としのぶさんが一度咳をし、
「すずねさん、気持ちは物凄くわかりましたが、あまり女性がそんなことを大声で言うのはどうかと思いますよ」
困ったような笑みを浮かべながら興奮した私を窘めるようにそう言った。その言葉に、流石の私も我に返り
「…すみません…つい興奮してしまって…」
そう謝罪を述べながら、チャプリと口元まで湯の中に沈め、ブクブクと息を吐き水音を立てた。
「それにしても、その話を聞いてようやく理解ができました」
「理解って…しのぶちゃん、今のお話で何かわかったことでもあるの?」
不思議に思った私も、子どものようにブクブクとしていたのをやめ、ザパリと口を水面から出し
「…胸を大きくする手立てですか?」
性懲りも無くそう尋ね
「違います。一旦そこから離れてください」
そう抑揚のない声で叱られてしまった。
「…すみません」
「はいはい。それで、わかったことと言うのはですね、煉獄さんの事です」
「杏寿郎さんのことですか?」
「煉獄さんのこと?」
甘露寺様と私の声が揃い、まさかの首をかしげる仕草も重なった。
「はい。実はですね、数日前、煉獄さんから私宛に文が届きました」
「杏寿郎さんからの、文?それと今のお話が、何か繋がりがあるんでしょうか?」
「えぇ恐らく。文の内容はですね…」
"最近すずねの様子が何やらおかしい。本人に聞いたが答えてくれず、時間も合わない。ゆっくりとすずねと過ごす時間がとりたい故、次の休みの日に炎柱邸に泊らせても良いだろうか?"
「と、いった内容のものでした」
「…っ!」
しのぶさんから告げられた、文の内容に私は驚き固まる。一方で
「やだやだ!煉獄さんったら大胆!お泊まりのお誘いってことね!」
甘露寺様は頬に両手を当て、私よりも断然嬉しそうにしていた。