第22章 残りの時間、私が貰い受けます✳︎不死川さん
「先程もお伝えしました通り、私、不死川様のことが好きなんです!ずっと、ずっと好きでした!急にこんなことを言われて意味わかんないって思われるかもしれませんが、私「わかるわけねェだろ。今すぐにその口閉じろォ」…っ!」
不死川様は、私の言葉を遮り、ギロリと鋭い視線を私に向け寄越した。
その射抜かれてしまいそうな鋭い視線に私は言葉を止めて、恐怖で縮み…上がるはずがなかった。
「…っそうその目!その鋭い目も、とっても好きなんです!」
「…はァ?」
こんな間近で、私だけにその視線を投げかけてくれるなんて…嬉しい!
頬を染め、キャッと恥ずかしがる私を、不死川様は心底げんなりした様子で見ている。
けれども、大好きなその鋭い視線を向けられた私は変なスイッチが入ってしまい、
「私、知ってますよ!その鋭い視線の奥にある強い意志も、優しさも、愛も、全部全部知ってます!ずっと見守ってきましたもの!私が隠として心折れることなく尽力を尽くしてこれたのは、時々お目にかかれる不死川様の勇ましい姿や、え?幻?と思ってしまうほどに、慈悲深い目で街の子どもたちや野良犬や野良猫に優しい視線を向けているそのお姿を見れたからこそ!最高ですね!素敵ですね!骨抜きなんですぅ!」
口を閉じるどころか、機関銃の如く不死川様への熱い気持ちをが口をついて次から次へと出て来てしまう。
不死川様はそんな私に
「…やっぱお前…頭おかしいんじゃねェの?」
睨むのも馬鹿らしいと思ったのか、まるで何かを諦めたかのような顔でそう言った。そんな言葉に私は、
「…そうですね…確かに!私は頭がおかしくなってしまう程、不死川様が好きです!頭の中が不死川様でいっぱいなんです!」
と声高々に宣言するのであった。
はぁぁあ
と深いため息が聞こえる。
「はい、巻き終わりました」
けれどもそれだけ愛を語りながらも、決して包帯を交換する手は止めなかったので手足の包帯は無事に交換し終えることができた。
「次は、胴体の包帯の方を変えたいのですが、私がやってもよろしいでしょうか?」
私がそう尋ねると、
「…他にできるやつ、いねェのか?」
そんな答えが返って来てしまう。