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鰯料理の盛合せ【鬼滅短編・中編・長編番外編】

第22章 残りの時間、私が貰い受けます✳︎不死川さん


あまり話掛けては良くないかなと思いながらも、どうしても一つだけ確認しておかなければならない事がある。


「冨岡様」

「どうした」

「いつ目を覚まされたんですか?」

「少し前だ」

「…目が覚めた後、誰かこの部屋に来ましたか?」

「いいや。来ていない」

「……ということは、まだ目が覚めてから診察等受けられていませんよね?」

「あぁ」


うん。そうだよね。そうだと思った。


「それでは、包帯を巻き終えたら、アオイさんに言ってお医者様に診察してもらえるようにお伝えしてきます」


そう言いながら私は、包帯を交換し終えた右腕から、右足、それを終えると左腕から左足の包帯を交換していった。


「胴回りの包帯も、交換してもよろしいですか?」


今までは、ずっと眠っていたため、交換出来ずにいた胴回りの包帯。起き上がっている今が、変える絶好の機会だ。


「たのむ」


冨岡様のその答えに


「それでは、一旦お湯を交換してきますので、しばしお待ちください」


そう言い残し、私は急ぎ、桶に入っているお湯の交換に向かった。



胴回りの汚れてしまった包帯を外し、付着している血を丁寧にふき取っていく。丁寧な縫い目と、呼吸による回復作用のお陰か、出血している様子はなく、私の口からはほっと安堵の溜息が出た。

綺麗にふき取った身体に新しく包帯を巻いていき、


「はい。終わりました」


私が交換作業の終了をお伝えすると


「助かった」


冨岡様はそれだけ言った。


「とんでもございません。私にはこれくらいしかできませんから。それじゃあ、アオイさんを呼んで来ますね!」

「わかった」


道具一式を持ち、扉を開け


「失礼しました」


と一言告げると、私は冨岡様の病室を後にした。

そのままアオイさんのところへ向かい、冨岡様が起きていたことを伝えると


「わかりました。すぐお医者さまにお伝えします」


そう言ってアオイさんはあっという間に部屋を出て行ってしまった。



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