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鰯料理の盛合せ【鬼滅短編・中編・長編番外編】

第21章 おにぎり大合戦【さつまいもvs鮭】


そう思った私は、


「ダメです!やめて下さい!」


そう言いながら、怪我で思い通りに動かない脚を無理矢理動かし、ベッドから降りようとした。


けれども


「…っひゃ…!」


上手く動かない身体と、急いてしまった気持ちのせいで、


ズルっ


とシーツと一緒にベッドの下へ身体が落ちていく。


「すずねさん!」


ひどく慌てた炭治郎くんの声と、ゆっくりと近づいてくる床に


あぁ痛そうだなぁ


と他人事のように思い、その衝撃に備えた。けれども、


スッ


と左右に気配を感じ、


「流石、柱のお二人の対応力ですね」


右側には師範、左には冨岡さんがおり、私の身体をその逞しい腕で支えてくれていた。


「…師範…冨岡さん…ありがとうございます」


そう2人にお礼を述べたのに、


「冨岡!柏木のことは俺に任せてその手を離すといい!」


そう提案する師範と、


「手を離す必要があるのは煉獄の方だ」


それを否定する冨岡さん。

伊之助くんにより変なスイッチが入ってしまった2人は、どちらも自分の主張を通そうとしている。

私は慌てて


「…っあの!もう大丈夫なんで!1人で立てますので!2人とも…腕を離してもらって大丈夫です!」


そう言った。


大丈夫って言うよりも、離してほしいの。そして私を挟んで睨み合うのをやめてほしいの。

なのにだ。


「その申し出は了承しかねる!…よし、このまま柏木も連れて中庭に行こう!そこでしっかり俺たちの勝負を見届けてもらい、どちらが柏木に相応しいか見届けてもらうのはどうだろうか?」


師範のトンデモ発言にバッとそちらに顔を向け、


何それ何それやめてよぉ!


その顔を、驚き声の出せないまま見ていると、


「名案だ。では行こう」


師範の反対側にいる冨岡さんも同意するようにそう言っており、私は師範から冨岡さん方に慌てて顔の向きを変えた。

そして私の腕を持ったまま、スクッとすんなり立ち上がる2人に、自然と私も立ち上がらされる。慌てて2人の顔を交互に見るも、いつもの穏やかさを完全に失っている2人は、頭が完全に沸いてしまっているようだ。



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