第21章 おにぎり大合戦【さつまいもvs鮭】
「こんにちは、炭治郎君、善逸君、伊之助君。いつも言っていますよね?ここ、蝶屋敷ではお静かに…と。お分かりいただけてなかったのですかね?」
真っ黒いオーラを背負い、それと相反するキラキラとした笑顔に
「「すみませんでしたぁ!」」
綺麗に並んだ炭治郎君と善逸くんは、これまた綺麗に揃ったおじぎをし、しのぶさんに謝罪の言葉を述べた(伊之助君は震えながら炭治郎君の背後に隠れていた)。
「はい。では、以後気をつけてくださいね」
そう言って今度はドス黒くない笑顔を浮かべたしのぶさんに、
「…って言うか、何ですこの部屋中包んでる甘い雰囲気。イライラするんですけど。冨岡さんあんた、俺と炭治郎のこと置いて、こんなところですずねさんとイチャイチャしてたんですか?」
その善逸君の言葉に反応したのは
「む!?それは聞き捨てならない!柏木と冨岡はイチャイチャなどしていない!そんなこと、俺が許さない!」
冨岡さんではなく、師範だった。善逸くんは、師範のその言葉にビクリと飛び上がり、炭治郎くんの背中にその身を隠した。
「…すみませんすみません!謝ります!謝りますからぁ!そんな怖い音出さないでください!わかってます!知ってます!煉獄さんもすずねさんの事が凄い好きなのはわかってますからぁ!」
「わかってくれればいい!…俺は誰よりも柏木の事を好いている。その気持ちは例え相手が冨岡だろうと、譲ることはできない!」
そう誇らしげに言う師範の言葉を、
「勝手なことを言うな」
否定したのは冨岡さんだった。
「…どうした冨岡。俺の言葉に何か不満でもあるのか?」
珍しく挑発するかのように、そう返した師範の言葉で、部屋の空気か途端にピリつく。
そんな状況にどうして良いかわからない私は、そんなことをしても意味がないと分かりつつも、布団の中で必死に自分の気配を殺していた。
「俺も柏木の事が好きだ。その気持ちが煉獄より劣っているとは…言わせない」
「ほぉ…大した自信だ!だが何度も言うがそれは俺とて同じ!もう一度言おう。俺は柏木のことを好いている!その気持ちは誰にも負けない!負けるはずがない!」
そう言って睨み合う2人に
シーン
と部屋が静まり返る。